SAカレッジ22年度 コースⅢ第5回月例会は、佐藤弘夫名誉教授です!
感染症と日本人―なぜ疫病神は「神」だったのか
SAカレッジ22年度 コースⅡ第5回月例会は、文学研究科 名誉教授の佐藤弘夫 先生による「感染症と日本人―なぜ疫病神は「神」だったのか」です。
前近代の社会では、人だけでなく、神・仏・死者、動物・植物に至る多様な存在がこの世界を分かち合っていると考えられていました。近代化は人間が唯一の特権的存在へと上昇する一方、他の構成員が排除されていくプロセスでした。かつて「神」として尊重されていた感染症をもたらすウィルスや菌も、この過程で世界の構成員から除外されます。
なぜ、病気や死をもたらすものたちが神とされたのか。その後、どのようなプロセスを経て、邪悪な存在へと変貌していったのか。背景にはどのような世界観の変容があったのか。
講義では、こうした問題を掘り下げることで、今わたしたちが立っている地平を照らし出すとともに、近未来の社会の在り方を考え、質疑セッションでさらに先生と掘り下げていきます。
本講義は、昨年大変好評で、参加された皆様からも以下のような声をいただきました。
「新しい切り口の考え方をするきっかけとなりました。感染症との関りを考えるには科学的なデータを重要視するべきだと思っていましたが、人文学的な面も重要なのだなと感じました。また、医学・科学的な裏付けをどれだけとって、いかに正しく対処するか、ということへの拘りも先生のおっしゃっていた人類の特別視だったのか…と思うと少し気が楽になった気もします。(コロナ疲れの一端にニュースやデータの取捨選択などもあったので)」
「歴史や科学等を学ぶことはあっても、本日の様な視点から学ぶことはありませんでした。更に、過去の感染症と現在のCOVID19等をも結び将来の事も俯瞰するという事に興味を覚えた為です。」「普段なかなか聞けない貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。自身も最近家族がなくなり、死生観について考えることが多い時期でした。先生のお話を伺って救われた気が致しますし、また新たな知見が得られました」
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佐藤先生は、2018年9月号から2020年6月号まで『月刊住職』(興山舎)にて「日本人はいかに弔われてきたか」を連載されていました。この記事をまとめた『人は死んだらどこへ行けばいいのか 現代の彼岸を歩く』(興山舎)が2021年5月1日に発刊されています。本書では原始から古代、中世、近世、近代、現代における「弔いのカタチ」を見ていき、死者との共存の物語がいかに変化し、また仏教が葬送供養において、人々の想いを受け止めてきたかが、書かれています。またこれに関し、「月刊石材」にてインタビュー記事が掲載されています。
『月刊石材』インタビュー 「人は死んだらどこへ行けばいいのか」はこちら
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