SAカレッジ21年度 コースⅢ 第9回月例会 参加者の声
佐藤 弘夫 教授「感染症と日本人ーなぜ疫病神は「神」だったのか」
12月22日、SAカレッジ21年度コースⅢ第9回月例会開催されました。講師は、大学院文学研究科 佐藤 弘夫(さとう ひろお)教授。講義テーマは「感染症と日本人ーなぜ疫病神は「神」だったのか」でした。
前近代の社会では、人だけでなく、神・仏・死者、動物・植物に至る多様な存在がこの世界を分かち合っていると考えられていました。近代化は人間が唯一の特権的存在へと上昇する一方、他の構成員が排除されていくプロセスでした。かつて「神」として尊重されていた感染症をもたらすウィルスや菌も、この過程で世界の構成員から除外されます。
- なぜ、病気や死をもたらすものたちが神とされたのか。
- その後、どのようなプロセスを経て、邪悪な存在へと変貌していったのか。
- 背景にはどのような世界観の変容があったのか。
講義では、こうした問題を掘り下げることで、今わたしたちが立っている地平を照らし出すとともに、近未来の社会の在り方を考えていきました。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- 前回の月例会からの続きの話として聞くことができたこともあって、非常に興味深い内容でした。岡部先生の”死への道は何ひとつ示されていない”という言葉は私も大変衝撃を受けました。と同時に宗教だけではないかたちで安心できることはなんなのだろうと思いましたし、そこにビジネスチャンスもあるのでは、と考えさせられました。
- 普段なかなか聞けない貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。自身も最近家族がなくなり、死生観について考えることが多い時期でした。先生のお話を伺って救われた気が致しますし、また新たな知見が得られました。
- 新しい切り口の考え方をするきっかけとなりました。感染症との関りを考えるには科学的なデータを重要視するべきだと思っていましたが、人文学的な面も重要なのだなと感じました。また、医学・科学的な裏付けをどれだけとって、いかに正しく対処するか、ということへの拘りも先生のおっしゃっていた人類の特別視だったのか…と思うと少し気が楽になった気もします。(コロナ疲れの一端にニュースやデータの取捨選択などもあったので)
- 歴史の事実に対し、なぜそうした事が行われたのかについて、非常に説得力のある解釈をされる佐藤先生のお話は、非常に新鮮で、興味を大いに惹かれる時間でした。本当にありがとうございました。「人文学」とは素晴らしい学問分野ですね。全く知りませんでした。年齢を重ねたからこそ感じられのかもしれませんが・・・。佐藤先生がご紹介されていた本を購読してみたいと思います。
- 日本ならではの風習をあらためて学ぶ機会を得た。コロナを経験し、生活様式、ビジネス等あらゆるものがニューノーマルに変容する時代となったが、本講義を通じ日本固有の文化風習を踏まえ次なるビジネスを考えるうえでの参考にしたい。(飢饉のあった時代の人々の考え方のシフトチェンジ、ウイルスと人類の共生?へ考え方)
- 佐藤先生のお話から、昔から人間の病気や死は、人生において最重要課題のはずなのに、考え方が大きく変わって来ている歴史を聞いて、これからも今の考え方が変わることに確信を持ったこと。
- 歴史や科学等を学ぶことはあっても、本日の様な視点から学ぶことはありませんでした。更に、過去の感染症と現在のCOVID19等をも結び将来の事も俯瞰するという事に興味を覚えた為です。
- 単語として広まっている「疫病神」について、歴史・宗教に基づいた考察をお聞きすることができ、死生観など考えるよいきっかけとなりました。
- とても深いテーマで、日本人として、ボーダーレス社会の中で生きるにあたり、その方法を定性的に考えさせられました。
- 事業として関連はしないが、私個人の視野が大いに広がったと感じました。教義の差異は置いておいて、宗教そのものを肯定することで世界平和を実現することが出来るのではないかという新しい希望が芽生えました。宗教そのものの肯定は、人が生きることを肯定し、人が必ず死ぬことをきちんと理解し受け入れて生きることに繋がるのかもしれない、と神社も寺も教会も好きな無宗教の私は思いました。
- 弊社ビジネスに直結する内容ではありませんでしたが、ポストコロナ社会における宗教観・死生観について考える良い機会となりました。
- なじみのない分野の知識が得られたので。
- 仕事に直結はしませんが・・・人間の考え方の変化やそれによってギスギスし過ぎるようになってしまったなど、興味深い内容でした。新型コロナによって、その考え方に新たな変化が起こるのかはわかりませんが、きっかけになればいいなと思いました。
- 疫病に対する日本人の考え方、その変化は興味深かった
- 事業とは無関係の内容であったが、興味深い内容だったため。
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