SAカレッジ21年度 コースⅠ 第10回月例会 参加者の声

永富 良一 教授「健康によい、悪いとは? ―何をもって“エビデンス”とするか―」

2022年1月12日、SAカレッジ21年度コースⅠ第10回月例会開催されました。講師は、大学院医工学研究科長、大学院医工学研究科 健康維持増進医工学研究分野、大学院医学系研究科 運動学分野 永富 良一(ながとみ りょういち)教授。講義テーマは「健康によい、悪いとは? ―何をもって“エビデンス”とするか―」でした。

健康に関連する情報はSNSやテレビ・インターネットなどさまざまな情報チャンネルから入手できます。パンデミックは現代社会をゆるがす大きな事件になっていますが、インフォデミックの影響も注目されています。

  • 信頼できる情報とは何か。
  • 論文や、データが提示されていれば信頼できるのか。

皆さんはどのようにお考えでしょうか。永富先生は研究デザインを重視しています。健康の定義、定義に基づいた指標の選択、人の集団から得られたデータをどのように比較し、エビデンスとするのか

本講義では、その基本になる疫学の考え方を事例で紹介健康のためのエビデンスの理解を深めていきました。健康長寿社会に向けて、エビデンスレベルの重要性を学び、その仕組みや取り組みについて知る機会となりました。

参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。


ご意見・ご感想(抜粋)

講義が参考になった理由は?

  • 今回の講義内容は弊社の健康ビジネスにも大変参考になりました。健康寿命の延命は旅行ビジネスのチャンス拡大につながることはコロナ禍での最大の課題として取り組んでおります。今後ともこうした機会を活かしてビジネス化を推進して行きたいと思いました。
  • 健康の定義等、様々考えさせることが多くあった。疫学・コホート研究のプロセスがよく分かった。今後、弊社が展開するであろうデータ中心ビジネスのエンジニアリング/プロセス(行程)を検討する上で大変参考になった。
  • シニア層を対象としたヘルスケアの課題解決やサービスを模索しております。特に、老化による感覚器や認知機能の低下予防に関する臨床評価に興味があります。健常人あるいは未病(境界領域)の方々を対象とした臨床試験やコホート研究は極めて重要であることから、非常に役立ちました。
  • 実際にいま検証を行っている最中だったので、研究についてのエビデンスレベルの話は参考になった。
  • 自身の医療研究のイメージは分子生物学や生理学の認識で徐々に検証範囲が広がっていくイメージがありましたが、統計的な視点から研究する疫学の講義を聴講し視点をひろげることができました。
  • 新規事業の開発にあたり、サービスの価値を示すための検証においてどのような方法を用いれば、適格な根拠を導き出すことができるか考えることが多く困難に感じることが多いが、今回の講義がヒントになると感じたため。
  • エビデンスにレベルが存在すること、また高レベルのエビデンス蓄積は多大な労力が必要であることを理解した。
  • 様々なエビデンスがある中でそれをどのように使い分けるべきか、今後の取り組みにおいて意識するきっかけとなった。
  • 弊社ではスマートフォンや関連デバイスの開発を行っており、さりげないセンシングなどの考え方は参考になった。
  • 今回は、講義をしていただきましてありがとうございました。今回は、エビデンスレベルの内容であり、データサイエンスを学び、活かすという私の仕事内容にリンクする内容でした。特に、分子生物学と疫学で「誤差」と「人に対する証拠能力」の大きさ・強さを比較されていた箇所では、とても納得できました。また、それぞれの学問では研究する目的が異なるため、エビデンスレベルも異なるのではないかと感じ、分析や評価の前に目的を設定することの重要性を改めて感じました。私が社内で現在、携わっているデータ分析のプロジェクトにおいても、分析や結果として何が出てくるかのイメージがついておらず、プロジェクトの実行が遅くなっていました。今回の講義で、改めて目的設定の大切さを知ることができました。講義後に改めて、私自身が参加するデータ分析プロジェクトに落とし込んでみたところ、明確な目的を設定することで、分析対象や必要なデータ、分析手法などが思い浮かんできました。
  • 普段データ分析の業務を行っているという個人的な背景もあり、どういう検証をしてどういうことを言わんとしているか、というところがすっと入ってきて、理解しやすかったです。
  • エビデンスレベルは普段から研究を進めるうえで意識しておくべきことであり、それぞれの研究手法の位置づけがよく理解できました。
  • 人間ドッグの結果への考え方など、とても参考になるお話でした。また、自社の研究結果を使用してお客様に説明するときなど、その研究のレベルを把握して誤解がないようにしなければならないと改めて感じました。
  • テーマ的には大変興味があったが、内容的には少々イメージとは違っていたので、その点はギャップがあった印象です。尚、エビデンスにおける全体(統計)に対して、特に健康管理においては個人差があるという点で、やはりパーソナルフィードバックの重要性でありポイントになるなと感じました。
  • 健康改善には、健康指導のような標準化されたもののほかに個別化されたアプローチも重要であることを学ぶことができたため。
  • 研究の種類、レベルにもいろいろあることが分かってよかった。
  • ニュース記事や論文をみた際に必要な観点を概念的に学ぶことができ勉強になりました。
  • エビデンスの質について理解が深まった。介入研究に比べ、コホート研究は企業ではなかなか実施しづらいため、今後の貴学での成果に期待をしております。
  • エビデンス取得において、何を重視するべきかの理解を深められました。グループワークでのやりとりも有意義でした。現在、村田先生の指導の下、エビデンス取得について準備を進めております。比較のデザインが必要、とのことで、このあたりも自社の件としてしっかり見極めてゆけたらたと考えております。
  • 新たな知識と、興味を持たせて頂いた為。①健康の定義 ②コホート研究の状況についての情報 ③エビデンスの大切さ
  • ヘルスケアサービスの事業を立ち上げているためどういった効果があるかを打ち出していく際の参考になった。ただコホート法では、短期的な効果で長期的には効果が薄くなっていくという点をどこまでユーザに伝えるかが難しいと感じた。
  • 疫学的エビデンスの位置づけがよくわかった。
  • エビデンスの仕組みをご説明いただいた点は大変参考になりました。又、特定保健指導・シニアの運動機能に関する報告と課題の示唆は弊社で現在取り組んでおります内容に活かしてまります。
  • コホート研究(観察研究)と介入研究の違いとデザインの考え方が理解できました。だた、私の理解が悪いのか、講義テーマである「何をもって”エビデンス”とするか」のエビデンスについて、もう少し説明があるとよいと思いました。
  • 健康に対するエビデンスは統計的に優位であっても、パーソナライズしたものではないということ。その個別性をクリアしなければビジネスベースで展開できないことをあらためて認識できた。弊社はメーカーではないため事業に直結することはないが、スマート椅子にはワーカーの立場として興味のある商品だ。
  • 途中までしか参加できなかったが、興味深かった。論文になっていることを根拠にエビデンスありとして話される研究が世の中には多いが、注意深く内容を理解しないとだめなのだと理解できた。
  • エビデンスの種類や信頼度について学ぶことができたため。
  • 業務に直結するものではないが、日常生活には直結する内容であったため。

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