SAカレッジ21年度 コースⅡ第2回月例会 参加者の声
村田 裕之 特任教授「シニア市場とスマート・エイジング・ビジネス② ~日常消費以外にどんな消費の可能性があるのか~」
5月12日、コースⅡ第2回月例会開催されました。講師は、スマート・エイジング学際重点研究センター企画開発部門長、東北大学ナレッジキャスト常務取締役 村田 裕之(むらた ひろゆき)特任教授。講義テーマは「シニア市場とスマート・エイジング・ビジネス② ~日常消費以外にどんな消費の可能性があるのか~」でした。
そもそもシニア層は若年層より資産が多くあるのに、なぜ、それが消費に回りにくいのでしょうか?
その最も大きな理由は、病気・介護など老後に対する漠然とした不安があるからです。人は将来に対して不安があると、いざという時のために備えるため、財布のひもが固めになり、普段はお金を使わなくなるのです。
シニアの資産を消費に促すには、「漠然とした将来不安」の解消につながる価値の提案が必要です。別の言い方では、資産を使ってでも「必要だと思わせる説得力」「お金では買えないもの(健康・時間・楽しさ・喜び等)を手に入れたいという気持ちに働きかけること」等が重要といえます。
コースⅡでは、そうしたアプローチをいくつかお話しいただき、シニアビジネスの可能性を知りたい方は必聴の講義となりました。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- 解放というキーワードは考えたことがなかった。高齢になればなるほど、解放が刺さる。同じグループにいた方の中に下着メーカーの方がおり、「60代の解放」とか、パワーワードなんだろうなと思いました。
- 世代別の特徴を根拠を基にに知ることができとても参考になりました。今市場に出回っているサービスや商品もターゲットを絞っているのだと改めて知ることが出来ました。
- 当社既存サービスで健康コラムを配信しているが、世代特有の嗜好にあわせた内容を交えてみようと気づきました。
- シニア層の消費心理について世代別に理解することができた。また、シニア層の消費心理を活用した商品・サービス事例について具体例で理解できた。
- 検討している事業の主軸に関わる内容ではないが、高齢者に対してリリースする際に踏まえるべき重要なポイントについてだったため。また、既存事業の見直しには有用な視点だと思った。
- 世代特有の経験が消費価値に関係している点・ライフステージの変化と脳の進化により開放型消費が起こる点・経験価値によりサービス・商品の価値は変化する点上記、3点に関してどれもサービスや商品を設計する際に参考になりました。
- シニア市場の特性に関して、嗜好や行動の原理から解説いただき非常によく理解できました。
- 午前中の内容と合わせて聞くと大変有意義な内容。シニア層(40代以上の世代別)が一般的にどのような嗜好性をもつのか、それは20~30代までの原体験からきていて、40代以降はノスタルジー消費が生じやすく、また、加齢による脳機能要因で新しい学習がおっくうになる(ノスタルジーによりドーパミン生成促進)、50代以降は自己復活消費・夢実現消費が起こる、60代前後では身体の変化とライフステージの変化によりインナープッシュが働きやすく開放型消費が起こりやすく、また経験価値という軸も重要になる、さらにコロナ禍でのTV/動画視聴と運動量低下で脳機能が低下しやすくなる可能性あり、と示唆的な話が多く、勉強になった
- 世代によって生きてきた背景や時代が違うので、その世代よって何を求めるかが変わってくるということが良くわかりました。単に現在の年齢から何を求めるかを考えていましたが、考える切り口が一つ増えました。
- シニア層を対象としたヘルスケアサービスを模索しており、世代特有の嗜好性、それに基づく消費行動は大変参考になりました。特に、60代に増加する開放型消費と当社の製品やそれらを総合したヘルスケアサービスとをどう結び付けるかに課題を感じましたが、経験価値を取り入れることや複数の業種で連携した新しい発想のビジネスを考える良いきっかけをもらえたと思いました。
- 世代特有の嗜好性と消費の例で、50代以降には、自己復活消費と夢実現消費が起きやすい背景を学ぶことができ、ビジネス活用のための理論付けを学ぶことができました。60代以降でも解放型消費で、何からの解放がビジネスに繋がるかの目線を取り入れる必要があることを学ぶことができました。
- 学術的な話だけでなく、ビジネスへの活用方法についても言及頂けたため。
- 加齢にともなう脳の機能(自律神経)とライフイベントとの関わりから嗜好が変わっていく点が非常に興味深く、参考になったため。
- 普段シニア層のお客さまを相手にしている中で、漠然と感じていた消費傾向を、今回具体的な形で理解することができました。経験価値の話なども興味深く、気づきが得られました。
- 「世代特有の嗜好性とビジネス活用」のアドバイスも、非常に有益でした。「自己復活消費」「夢実現消費」の視点からも、50代のお客様に提案するプログラムや、提案の仕方を検討する必要性を感じました。
- シニア消費行動動機と変遷を体系的に学ぶことができ、今後の当社事業、業務に活かせると感じました。
- 高齢者の消費行動について、データに基づいた客観的な情報を得ることができたこと。またその市場へのアプローチする際の参考になる事例を紹介されていたこと。
- 講義を聞くまでは、シニアの消費は単純に時間とお金が余っているため起きることと思っていました。そのため、「解放型消費」のように理論に基づく消費行動があるということを知れてよかったです。新鮮でした。なんとなくイメージで思っていたことに裏付けとなる理論を知れるとより実際のサービスに落とし込みやすいと感じました。
- 高齢者ならではの消費傾向について知ることが出来、参考になった。今後は雇用期間の延長、家族形態の多様化が進んだ中で高齢化していくので、変化が来るタイミングがますます年代で区切りにくくなる。同じような変化があった層をどう見つけて、そこに刺さるサービスを開発するかが肝だと感じた。
- 老化によって減少するもの(体力・免疫力等の生理機能)を補う製品作りをしてきており、嗜好性については考慮したことがなかった。本講義を聞いて視野が広がった。
- シニア世代で解放からくる要求を正しく理解し、ビジネスモデルとして構築することが重要であり、それは20代・30代の若い世代にも共通することもあるということが分かりました。コロナ時代ともいえる今日ではきっとコロナからの解放ということで、経済効果が大きくなるのかと思うので、そのあたりにフォーカスを当てていくことも大事なことだということが改めて理解できたからです。特にシニア世代は今しかない、今しかできないという気持ちが行動に繋がる為、そういった心ときめく商品や顧客体験価値を改めて考えていこうと思いました。
- 弊社のターゲットユーザーがまさに、今回お話いただいたシニアであり、その方々の思考の背景に世代の原体験や脳のメカニズムが影響していることが理解でき、大変納得できました。また話しをお聞きして過去の良かったことなどを回想させることも有用なのだと思った点もヒントになるかと感じました。先生から投げかけ頂いたこと「解放させることで売れることは何かないか」「売れる経験価値はないか」という点も考えてみたと思います。シニアの人の身体や環境面、気持ち面のニーズを理解する意識とアクションは良くしてますが、なぜそのような思考になるのかというもう一段階深く理解できるきっかけとなる情報をいただけたと思います。
- コースⅠに続いて、連続して拝聴したので、流れも含め勉強になった。世代原体験、今後のビジネス発案・考案にもシニアだけでなく活かしていきたいと思う。
- 解放型消費がライフステージの変化だけでなく身体的変化にもよるものであることを認識できたため。また今後ますます体験型消費(価値の提供)がキーになることを再認識できたため。
- 世代特有の消費傾向について、「確かに」と思うものばかりでした。コロナ禍で運動や交流機会の減少がさらに課題となる中、まだまだITが苦手なシニアをうまく巻き込む仕組みづくりは難航していますが、考え続けていきたいと思いました。
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タグ:コト消費, シニアビジネス, シニアマーケティング, スマート・エイジング, 村田裕之
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