SAカレッジ22年度 コースⅢ第12回月例会は、齋藤 昌利 教授です!

産科一筋20年。人工子宮・人工胎盤研究を始めとする胎児生理学研究に邁進

masatoshi saitoh

SAカレッジ22年度 コースⅢ 第12回月例会は、大学院医学系研究科産科学・胎児病態学分野、大学院医学系研究科周産期医学分野、大学院医工学研究科近未来生命情報工学分野、西オーストラリア大学産婦人科分野、東北大学病院産科 科長、齋藤 昌利 教授 「周産期医療のルネッサンスを目指して」です。

ご存知のように日本において「少子化」は大きな社会問題になっています。
最近、「22年人口動態統計での修正数で、出生数が初の80万人割れ」のニュースがありました。およそ20〜30年後には1年間に生まれる赤ちゃんの数が50万人を下回り(2020年は約85万人)、全人口が1億人を切ると考えられていますが、これはもっと早まるかもしれません。
これと同時に「晩婚化・高齢出産」も顕在化し、いわゆる「ハイリスク妊娠・ハイリスク分娩」に起因する「早産」が大きな問題になると考えられています。1,000gを切る小さな赤ちゃんの命を、いかに安全に後遺症を残さないで救うか、お産を取り巻く医療の大きな課題となりつつあります。

さらにコロナ禍でこの「少子化」「晩婚化・高齢出産」はさらに進んでおり、ウィズコロナ時代の課題の一つです。
本月例会では早産に対して我々が現在行っている奇想天外な『人工子宮・人工胎盤研究』をお話しし、少子化に歯止めをかけるための方策についてお話いただきます。

関心領域やご研究について

齋藤昌利先生のご専門は周産期医学・胎児生理学・胎児超音波医学です。医工学研究科教員紹介のYouTubeチャンネルで紹介されています。

齋藤昌利先生の、最近の主な研究内容について一部ご紹介します。

人工子宮・人工胎盤システム管理下胎児治療(開腹手術)の安全性の検討

妊娠ヒツジを用いて人工胎盤・人工子宮システム上での胎児外科的治療の安全性を検討するため、現状行われている子宮内での胎児の腹部外科手術を模した群(コントロール群)と、人工胎盤・人工子宮システム上で胎児の腹部外科手術を行う群(人工子宮・人工胎盤群)を設定し、それぞれ5例ずつ施行し比較解析を行った。
人工胎盤・人工子宮システム上で胎児腹部外科手術を行った群(人工子宮・人工胎盤群)では、子宮内で胎児の腹部外科手術を行った群(コントロール群)に比べて、より安全に手術を行えることが分かった。

妊娠中期に動脈管の血管リモデリングを促進させる因子の解明

妊娠中期において子宮内炎症が胎仔の動脈管壁の内膜肥厚を促進させることをヒツジ胎仔を用いて検証した。対照群5例と炎症群5例のヒツジ胎仔の動脈管組織を摘出し、組織学的検討を行った。短軸切片における断面積のうち内膜肥厚の面積の割合 (平均±SEM) は、対照群0.0372±0.0034、炎症群0.0322±0.0032と有意差を認めなかった。また成熟度スコアも2群間に有意差はなかった。以上より今回の検討では子宮内炎症は動脈管の内膜肥厚を促進させる因子であるとは示せなかった。

紹介ページ

東北大学大学院医学系研究科・医学部 障害科学専攻 胎児病態学分野 教授 齋藤昌利

 
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