SAカレッジ21年度 コースⅢ第5回月例会 参加者の声
齋藤 昌利 教授「周産期医療のルネッサンスを目指して」
8月25日、SAカレッジ21年度コースⅢ 第5回月例会開催されました。講師は、大学院医学系研究科産科学・胎児病態学分野 大学院医学系研究科周産期医学分野 大学院医工学研究科近未来生命情報工学分野 齋藤 昌利(さいとうまさとし)教授。講義テーマは「周産期医療のルネッサンスを目指して」でした。
ご存知のように日本において「少子化」は大きな社会問題になっています。
およそ20〜30年後には1年間に生まれる赤ちゃんの数が50万人を下回り(2020年は約85万人)、全人口が1億人を切ると考えられています。
これと同時に「晩婚化・高齢出産」も顕在化し、いわゆる「ハイリスク妊娠・ハイリスク分娩」に起因する「早産」が大きな問題になると考えられています。1,000gを切る小さな赤ちゃんの命を、いかに安全に後遺症を残さないで救うか、お産を取り巻く医療の大きな課題となりつつあります。
さらにコロナ禍でこの「少子化」「晩婚化・高齢出産」はさらに進んでおり、ウィズコロナ時代の課題の一つです。
本月例会では早産に対して先生が現在行っている奇想天外な『人工子宮・人工胎盤研究』のお話しと、少子化に歯止めをかけるための方策を認識共有いたしました。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- 10年以上前に注目されていた人工子宮・人工胎盤研究の変遷(研究結果から見えてきた課題よび次フェーズで実施した解決策など)と現在の研究内容をまとめてご説明いただき、大変勉強になる講義でした。
- 少子化対策となる周産期医療の環境と現状を知ることができたこと。
- 羊をつかった人工子宮、人工胎盤の研究ということを全く知らなかったのでお話全体が非常に興味深かったです。全く知識がない分野でしたが先生のお話も大変わかりやすかったので理解しやすかったです。
- 人工子宮研究の現状に触れることができ、大変有意義な講義でした。
- 日本の超高齢社会は、高齢者の増加が原因ではなく、出生数の減少が原因だと感じます。その中で、早産の命を救おうとする取り組みは尊敬いたします。感染症拡大時に、出生数が減るのは感覚的には理解しますが、残念な傾向と感じます。
- 少子超高齢社会を考えるうえで、高齢者だけをみてはいけない、同時に少子化がさらに進むこの社会背景も考えないといけません。社会保障制度だけではなく、民間企業も少子化対策に向けできることを考えるべきだと改めて認識させてもらいました。周産期医療について、基礎的な知識なのだと思いますが、胎児についてヒトかそうでないか週数で分けられるということが新鮮でした。また高齢出産による母体と赤ちゃんに与える影響、リスク。医療ではありませんが、高齢出産に耐えうる体調管理、維持の備え予防的な行動が行えないか考えてみます。
- 新たな知識分野を獲得できました
- 全く知らない分野の研究についてわかりやすく知ることができたので。
- 研究を最前線で行われている齋藤先生より、その苦労や今後の展望/今後の課題を直にお聞きでき、周産期医療の現状を深く知るきっかけとなりました。
- 今の私の業務内容とはなかなかリンクしづらかったのですが、個人的にとても興味深く聴講させていただきました。私自身が昨年5月に出産をしており、高齢出産・初産・コロナ禍・NIPT・無痛分娩と近年のトレンドを凝縮したような出産体験でした(トラブルなく、母子ともに健康です)。それ以来周産期医療に関心を持っています。妊娠中は、高齢による自分と子供への影響を特に心配しながら過ごしていたので、今回お話を聞いたような人工子宮などの技術はとても望ましいものだと感じました。お話を聞けて本当に良かったです。ますますの研究の発展を楽しみにしています。(ぜひSACで研究の続報を聞かせていただけると嬉しいです)
- 興味深い講義を有難うございました。少子化の流れは、先進国だけでなく、アジアでも止まらないため、世の中は、シニア・女性活躍社会にシフトするしかないと思っていましたが、先生の研究が完成されれば、高齢出産も安定し、少子化対策も可能になるという希望が見えました。
- 高齢出産と言われる35歳前での出産は、女性の社会進出が進んでいる現在の社会ではなかなか難しいと身をもって感じている。 私自身も、結婚はしたものの、このコロナ禍で日本の未来に不安を感じ、将来生まれてくる子供が幸せな人生を歩めるのかという懸念点から妊娠・出産を躊躇している。 ただ、子供を持ちたいという夢はあり、年齢的にも躊躇っている時間はないと認識しているため、将来的に自分が妊娠・出産を迎えた場合の情報収集は日ごろから行っていた。 その状況下での今回の講義で、人口子宮は初めて目にし、とても衝撃を受けた。自分の子宮外で子を育てるというと、代理母出産が頭に浮かんだが、様々な問題点があると聞いている。人口子宮であれば、その問題を払拭できるのではと感じた。 胎児の先天性疾患の治療にも役立てることができるという点においては、お母さんの精神的負担を少しでも軽減できるように感じた。
- 未熟児育成の最新研究に触れられ、将来の母体不要な受精→出産の技術が少し理解できたから。
- 少子化の現状、将来を数字をもって知ることが出来ました。将来の日本がどうなるのか、率直に心配になりました。先生にご教示いただいた高齢出産・早産への対応は社会の傾向に沿った素晴らしい取り組みだと思いました。必要な取り組みだと思います。一方、高齢化は進むものの、出産適齢期はそれに伴って高齢化しないと聞いております。根本的には高齢出産のトレンドを変える国、社会の取り組みが必要と考えます。
- 少子化は気になっていても、男性である事と子育ては卒業している身にとって日本の将来像が暗いと思っていましたが、未知の水面下の世界で齋藤先生のチームが長年に亘って研究を重ねており、微かな灯りを見出し更に飛躍されようとしている事に拍手をさせて頂きます。
- 少子化、高齢化など、報道での情報として知っているレベルでしたが、周産期医療での命を救うための研究として興味がありました。また、現在の研究状況も知ることが出来、とてもよいセミナーでした。
- 周産期医療に関しては通常はあまり関わりがないことである。今の日本の少子化の現状を学べたことと、周産期医療との関係性を学べ理解が進んだ点である。また、研究の大変さと難しさが講義から垣間見られた。世界で取り組んでおられる研究施設がと齊藤先生の研究所とアメリカに1ヶ所、計2か所であることをお聞きし、是非、世界に先駆けて人への研究を成功させてほしい、臨床第1号を日本の研究チームで実現させてほしいと感じました。日本の少子化の歯止めの一翼を担って頂けるそんな研究であることが理解できたからである。
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