SAカレッジ22年度 コースⅢ第11回月例会は、木村 敏明 教授です!

人間や人間社会にとって宗教文化のもつ意味について考えています

SAカレッジ22年度 コースⅢ 第11回月例会は、 文学研究科副研究科長、災害科学世界トップレベル学際研究拠点兼務教員、木村 敏明 教授 「感染症と死をめぐる習俗」です。

「葬儀」などの習俗は、遺族の悲嘆を分かち合い、社会秩序・価値秩序を維持するための不可欠な営みとして広く人類に継承されてきた文化です。

しかし近年、そのような習俗が大きな曲がり角を迎えています。

生活様式の変化、コミュニティや親族関係の希薄化が進む中、日本では戦後の高度経済成長期に急速に葬儀の「産業化」が進められてきました。一方、20世紀の終りころから、「終活」ブームなどを背景に伝統的葬儀のあり方を見直そうとする動きも現れています。

木村先生の講義では日本の葬送をめぐる習俗が経験してきたこのような変化をたどった上で、COVID-19がこれらの動向に与えた影響について考えていきます。

葬儀のかたちが変化していく中、故人を想う家族・親族に対して企業はどのようなサービスが提供できるのか。超高齢社会の必須テーマとなってます。

関心領域やご研究について

木村先生のご専門は宗教学、宗教人類学です。関心領域については以下の通り、東北大学 宗教学研究室に紹介されています。(以下、研究室HPより抜粋)

  1. インドネシアの社会と宗教
    多様な文化的宗教的背景を持った人々が共に暮らすインドネシアでは、社会と宗教をめぐる多様な動態的現象を目の当たりにすることができる。中でもとくに顕著に多元的環境にある都市移民社会を対象とし、彼らの世界観や価値観の解体・再編とエスニック・チャーチとの関連を解明することを目指している。
  2. 自然災害と宗教
    突然に人々や社会を襲う自然災害。それを人々や社会が受けとめ、立ち直るプロセスにおいて宗教はどのような役割を果たしているのか。また逆に、それらのプロセスを阻害することはないのか。これらの問いをインドネシアや日本の事例を中心に、他の地域も視野に入れながら考察している。
  3. オランダ宗教現象学派の理論的研究
    近代宗教学が独自の問題領域を扱う学としてその他の人文・社会科学から独立していった19世紀末から20世紀はじめにかけて最も主流を成したオランダ宗教現象学派の理論を再検討することを通し、宗教学的な視点からの宗教研究のあり方を追求する。

また木村先生の、最近の主な研究内容について一部ご紹介します。

  • 近世日本における災害死者の研究―大量死の発生・集団埋葬・慰霊の問題を中心に
    本研究は、近世日本の具体的な災害の事例から「災害死者」の発生・埋葬・慰霊の様子を考察し、近世災害死者の特質を解明することを目的とする。その事例研究の対象は、「明暦の大火」、「享保の大飢饉」、「浅間山大噴火」、「島原大変肥後迷惑」、「天明の大飢饉」、「天保の大飢饉」である。
    とくに供養塔と地蔵像の銘文は、当時の死者の発生と埋葬、慰霊に関する情報が含まれている点で重要である。それらの調査を通して近世日本の災害死者の「無縁死者」としての性格を具体化するとともに、近世朝鮮の災害死者の特質と比較し、東アジアの文脈から検討することも本研究の目的である。
  • インドネシアにおける伝統儀礼の産業化の背景と影響に関する宗教学的研究
    本年度当初計画していた現地調査については、コロナウィルス感染症の影響で実施できなかった。しかし昨年度の計画見直しで新たに設定した委託調査をそれに代えて行うことができた。具体的には、海外の協力機関(インドネシア・北スマトラ大学)との協力によって、10月から3月にかけて北スマトラ州で25の冠婚葬祭業者への聞き取り調査を行い、それらの調査内容をデータ化することができた。
    調査にあたっては日本で直接研究代表者が指導教員として現地調査法の指導を行った信頼できる研究者をリーダーとしたチームを作り、そこに調査を委託する形をとった。またチームとは毎月ミーティングを行い、調査内容についてフィードバックを行った。調査項目としては、起業の時期・きっかけ・規模、業務内容、顧客の範囲、他業者との関係、近年の変化特にCOVID-19の影響などについて、質問シートに即して聞き取りを行った。
    結果については現在まとめの途中であるが、インドネシアにおいても冠婚葬祭業の産業化が顕著になっていること、一方で文化や宗教の多様性、親族ネットワークの強靭さなどによって、大規模業者による標準的な儀礼の普及という日本的な展開とは違った実態も明らかになった。また、COVID-19の影響のためインドネシア政府により大規模な儀礼に関する規制が行われる中、従来の大規模業者が苦戦している一方、ITなどのスキルを活かした若者による起業が目立つということも分かった。

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