SAカレッジ21年度 コースⅢ第8回月例会 参加者の声

木村 敏明 教授感染症と死をめぐる習俗

11月24日、SAカレッジ21年度コースⅢ 第8回月例会開催されました。講師は、文学研究科副研究科長、災害科学世界トップレベル学際研究拠点兼務教員 木村 敏明(きむら としあき)教授。講義テーマは「感染症と死をめぐる習俗」でした。

「葬儀」などの習俗は、遺族の悲嘆を分かち合い、社会秩序・価値秩序を維持するための不可欠な営みとして広く人類に継承されてきた文化です。

しかし近年、そのような習俗が大きな曲がり角を迎えています。生活様式の変化コミュニティや親族関係の希薄化が進む中、日本では戦後の高度経済成長期に急速に葬儀の「産業化」が進められてきました。一方、20世紀の終りころから、「終活」ブームなどを背景に伝統的葬儀のあり方を見直そうとする動きも現れています。

今講義では、日本の葬送をめぐる習俗が経験してきたこのような変化をたどった上で、COVID-19がこれらの動向に与えた影響について考えていきました。

葬儀のかたちが変化していく中、故人を想う家族・親族に対して企業はどのようなサービスが提供できるのか。超高齢社会の必須テーマでした

参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。


ご意見・ご感想(抜粋)

講義が参考になった理由は?

  • あまり当社の事業内容に沿うものではないと思っておりましたが、葬儀が産業化されたように今後、終活も大きな産業になるのではないかと思わせていただきました。送る側と送られる側で確かに、質素にしてほしいという反面、新しい旅立ちをしっかりと見送ってあげたいと相反する考え方もあり、葬儀は質素にしつつもより大勢で故人を偲ぶ、デジタルツールの開発などが進むのではないかと思いました。今後高齢者の単身世帯が増え、式を取り仕切るのは誰、訃報の知らせ方はどうなるのかなどより多くの社会的な問題になりえることでしたので非常に参考になりました。
  • 興味深いお話でした。災害や感染症で大切な方が突然の別れや、お見舞いにも行けず最後の挨拶も出来ない方たちの心情を思うと他人事ではない気がしました。丁寧な埋葬以外に残された方たちが気持ちの整理がつくことが何なのか考えていきたいと思います
  • 避けて通れないけれど、当社が事業として扱うことは出来ない分野。新事業とか金儲けに拘りにくい業界だなと改めて思いましたが、個人的に強いインパクトがあり、そもそもの人のありかた、葬儀のありかたを考えさせられる内容でした。
  • 国内のみならず海外の葬送文化を知ることにより、死生観そのものが講義の軸にあるもののように感じました。コロナ禍を経験し、人々の考え方・感じ方が変容しています。これから葬送文化がどのように変わっていくのか、興味深く思います。また、テクノロジーが葬送に与える影響などはその一つではないでしょうか(葬送×DX)。
  • 業務でもプライベートでも葬送について考える機会があまりありませんでした。インドネシアの葬送文化など知らないことが知れたとともに、自分は、自分の身近な人に対して、どうしたいかなど考えてみたいと思うきっかけになりました。
  • 葬送文化や習慣など通常知ることのできない深い話を聞け、今後役立つときがあると予期されること。
  • 現在の葬儀の形態がごく最近からのものということが大変新鮮でした。シニアターゲットに向けてビジネスをしていることもあり、ここにビジネスチャンスがあることは日々感じていたので、非常に興味深くお話を伺う事ができました。
  • 葬儀の歴史から現状、コロナ禍や災害時での実態を知ることが出来た。
  • 告別式やお墓の利用システムが比較的新しいこととは知りませんでした。葬儀や法事などですら、時代や経済・環境等の変化で変わっていくのだから、ビジネスや技術なんてそりゃ変わっていくのだろうな・・・とおぼろげに感じました。
  • 現在、一般的に行われいる「葬儀」のスタイルや習慣は、意外と最近に、しかも意外な理由で決まったことを理解できました。認識を深められたことに大変感謝いたします。本件からも、日本人は、歴史や伝統を大切にする一方で、結構合理的な行動をすることも再確認した思いです。であれば、今の葬儀の形も永続的なものではなく、時代の要請に合わせて、今後とも変化して行くものと思います。
  • 納得できる見送りは、やはり送る方と送られる方双方の納得の上に成り立ち、その時代や国の文化や習慣によるところが大きいということが、何となくは理解出来てはいたが、本日改めて講義を受けたことではっきりしました。また、自分はどうでもいいが家族や親しい人は手厚く送りたい。死んだあとは自分のことを思い出してほしいと世間では圧倒的多数を占めるということもデータで示された点です。葬送は簡素化の流れが主流ですが、人の思いは宗教や宗教的力をも凌駕することもわかりました。
  • 葬送の習慣が変わる契機は災害であるという点に大きな気付きを頂戴しました。
  • テーマがテーマだけに直接的な部分ではエンタメとの絡み、またシニアビジネスとの絡みはなかったが、中々聴けない領域での話もあって勉強になりました。
  • 知見の無い葬送文化について知ることができたため。
  • 時代の流れにおける葬儀の在り方の変化、人の認識の変化が大変興味深かった。
  • 葬送文化の移り変わりやCOVID-19をはじめとする環境起因による変化など、ビジネスの種となる情報をいただけたと思います。
  • 前回は、死生観を鈴木教授に教えて頂き精神面からの知識を得ました。今回は、木村先生より残された者達からの観点で葬送について学びました。お二人の先生の講義により、死に行く者と残された者の立場を自分に置き換えて検証し、自分はどうあるべきかや自分が亡くなった場合残される子供達等に何をして欲しいかなどを考える機会を頂いた為です。

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