弘陵福祉会が老施協の介護ICT実証モデル事業に選ばれました

SAカレッジに参加されている社会福祉法人弘陵福祉会が、公益社団法人 全国老人福祉施設協議会の介護ICT実証モデル事業に選ばれました。広報誌である月刊「老施協」P11に掲載されています。理事長である溝田弘美様はSAカレッジの参加も長く、いつも素敵な笑顔と高いモチベーションで、受講されています。(以下抜粋)

利用者を第一に考えるため、まずはDXで介護士を幸せに


設立36年目の社会福祉法人弘陵福祉会は、兵庫県神戸市で定員70名、多床室の特別養護老人ホーム六甲の館を運営。’12年の大規模改修の際に利用者の不安を軽減するためのセラピーロボット・パロと、施設長自らPC教室を開催して導入した介護記録システムを皮切りに、対話支援システム、見守りセンサーなどを導入してきた。

施設長の溝田弘美さんは「介護士がハッピーでないと良いサービスを提供できない」という信念の下、「テクノロジーの導入は職員の負担軽減のため」だと語る。’19年にオーストラリア発祥の持ち上げない・抱え上げない介護「ノーリフトケア」に出合ってからは居室や浴室に天井走行式リフトを配置。「ノーリフトケア実現に必要かどうか」を基準に導入を進めている。

当初は職員に不安はあったが、「業務に追われ、こんな効率的に仕事ができるんだというイメージを持つ機会がありません。反対派には真摯に説明を繰り返しました」と、職員と向き合ってきた。現在は、共通の知識を得るため全職員が日本ノーリフト協会の研修を受講済み。施設長、看護師、介護士、介護支援専門員から成る「ノーリフトケア委員会」を月1回開き、機器導入や事例の検討を行うことでトップダウンを避け現場のモチベーション維持を図っている。

そして入浴介護装置ピュアットを導入したのは、「入浴介助に人員が取られ過ぎてフロアで手厚い介護ができない」という職員の声から。5分間の入浴だけで体が洗浄できるため、職員の負担や入浴時間が軽減。天井走行リフトとの相乗効果で、8人が必要だった入浴が4人で行えるようになった。これにより入浴時間帯もフロアで手厚い介護が実現した。こうした取り組みで「職員は腰痛ゼロ。別の施設で腰痛を発症した転職希望者も複数います」と、人員が集まる効果も出ている。

老施協の介護ICT実証モデル事業では4月、マット型の見守りロボットaamsを全床に導入。「利用者の急変に対する介護士の不安軽減、看取り時期の想定などのため、特に心拍のデータやアラートの感度がいいものを選びました。夜間巡視のフローを見直し、福祉用具のチェックや利用者の衣類整理、職員の休憩に時間を充てて効果を実証中です」と溝田さん。さらに、aams、ネオスケアをiphoneで管理し、アラートが介護記録に自動反映される仕組みの開発をメーカーと共に進めている。

あわせて読みたい関連記事

サブコンテンツ

このページの先頭へ