SAC東京5期コースⅠ第3回月例会 事務局レポート

シニア市場とスマート・エイジング・ビジネス①~いかにしてビジネスチャンスを見つけるか~


コースⅠ第3回月例会は講師・村田裕之特任教授によるテーマ「シニア市場とスマート・エイジング・ビジネス①~いかにしてビジネスチャンスを見つけるか~」の講義です。

講義は以下の4項目にて構成されています。

    1. シニア市場の特徴とは?
    2. シニア市場の消費行動はいかにして起きるか?
    3. いかにしてビジネスチャンスを見つけるか?
    4. スマート・エイジング・ビジネスとは?

1.シニア市場の特徴とは?

高齢者とシニアの定義
現在の高齢者の定義は「65歳以上」ですが、シニアにはもともと年齢の定義はありません。村田特任教授のシニアの定義は「60歳以上の人」です。

シニアビジネスの定義

① シニアが商品・サービスの使い手になるビジネス
② シニアが商品・サービスの担い手になるビジネス

介護報酬へ依存しないシニアビジネスを推奨する様々なデータや以下の俗説と正しい見方とが示されました。

俗説1「シニア層は他の年齢層よりお金持ちである」
俗説2「シニア層は、資産持ちなので日常消費も多い」
俗説3「シニア層の消費は『年齢』で決まる」

2.シニア市場の消費行動はいかにして起きるか?

シニアの消費行動に影響を及ぼす「5つの変化」による事例を見ていきました。

    1. 加齢による身体の変化
    2. 本人のライフステージの変化
    3. 家族のライフステージの変化
    4. 世代特有の嗜好性とその変化
    5. 時代性の変化

3.いかにしてビジネスチャンスを見つけるか?

ビジネスの基本は「不」の解消です。不安、不便、不満、不具合、不調などたくさんの「不」があります。ビジネスのポイントは以下の通りです。

    1. 飽和市場と言われている市場の周辺を見直す。
    2. 毎日行くところがない「不便」を解消する。
    3. 昔から依存するが旧態依然としていて利用者の「不」が多い市場を狙う。

4. スマート・エイジング・ビジネスとは?

シニアの方にお話するスマート・エイジングのための「10の秘訣」は以下の通りです。

(1)健康で自立して生活するために

    1. 有酸素運動をする
    2. 筋トレを行う
    3. 脳トレを行う
    4. 年齢相応の食事をする

(2)元気でいきいきと過ごすために

    1. 達成すると嬉しい目標を立てる
    2. リズミカルに動く
    3. 不眠の原因を取り除く

(3)自分らしく生きるために

    1. 「自分軸」で生きる
    2. 他人の役に立つことをする
    3. 好きなことに徹底的に取り組む

これらのポイントと共に、「スマート・エイジング」の4条件の一つ以上を意図的に商品・サービスへ取り組むことが必要です。そして、その商品・サービスによって顧客が「健康で前向きな気持ちでいられる」、「いくつになっても成長できる」と実感し、顧客から対価を得るスマート・エイジング・ビジネスと定義づけた村田特任教授です。
法規制の強化、製品に対する目がますます肥えたスマート・シニアの増加によって、信ぴょう性あるエビデンスなしに、その製品が「健康に良い・認知機能が向上する」と言えなくなってきました。
これからはますます科学的なエビデンスの必要性が高まってきます。

(1)超々高齢社会・人生100年時代が市場に浸透
→人々の健康志向はますます強くなる

(2)健康増進効果を謳った製品が市場に急増
→認知症予防・介護予防・脳機能向上など

(3)効果の科学的エビデンスが不明なものが多い
→エビデンスがあっても、その水準がまちまち

スマート・エイジング・ビジネスのために必要なこと

  1. スマート・エイジングの考え方を理解すること
  2. エビデンスが曖昧な製品は売らない
  3. 「健康によい」を訴求したいなら、「エビデンス」をきちんと示す

これらを踏まえた商品・サービス提供側のレベルアップが成功のカギとなります。

グループトーク後の質疑

村田特任教授のアイスブレイクからさらに講義の内容を深堀し、グループトークによって抽出された質疑は以下の通りです。

Q1.独居男性を外に出す方法?
Q2.介護保険のこれからはどうか?
Q3.海外での成功事例は?
Q4.引退者のひきこもり対策は?
Q5.シニア向け企業ではないところがシニア対象へ変わっていった理由と方法?
Q6.男性の担い手サービスの成功事例は?
Q7.不の解消できるシニア向け広告の方法は?
Q8.ポケモンGOがシニアへ人気の理由とは?
Q9.夫婦の旅行がダウンサイジングとなる理由とその方向性
Q10.日本発企業が海外で成功する条件と着眼点は?
Q11.シニアビジネス立ち上げ時の注意点は?
Q12.デジタル利用など引きこもりシニアへのアプローチは?

〔個別質疑〕

Q1.日本で電子マネーは普及するのか?
Q2.引きこもり、家が好きで過ごしている人へのアプローチ手法は?
Q3.海外のサービスを日本へ持ち込む際の苦労は?
Q4.高齢者の自動車事故対策として免許返納はネガティブか?
Q5.ネットを使わない人へのネット販売上のアプローチ手法は?

 

以上

(文責:SAC東京事務局)

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