SAカレッジ21年度 コースⅡ 第9回月例会 参加者の声
山本 雅之 教授「東北メディカル・メガバンク計画とゲノム医療」
12月8日、SAカレッジ21年度コースⅡ 第9回月例会開催されました。講師は、東北メディカル・メガバンク機構長、東北大学医学系研究科 教授(医化学分野) 山本 雅之(やまもと まさゆき)教授。講義テーマは「東北メディカル・メガバンク計画とゲノム医療」でした。
ゲノム医療という言葉をメディアで見かけない日はありません。ゲノムとはDNAに含まれる遺伝情報全体を指します。ゲノム情報は体をつくるための設計図のようなものです。それらを網羅的に調べた結果をもとにより効率的・効果的に病気の診断と治療などを行うのがゲノム医療です。
山本先生が機構長である東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、東日本大震災で大きなダメージを受けた東北地方の創造的復興の実現に向けて2012年2月に設立、日本人15万人以上からなる世界最先端のゲノムコホートを構築し、それを基盤とした新しい個別化予防・個別化医療の創出を目指しています。
本講義では、ToMMoの設立についてや複合バイオバンクとして価値、ゲノムコホート由来データが集まる総合データベースdbTMM、全ゲノム解析を実施する重要性などなど、熱くご講義いただきました。
また、今回は「東北メディカル・メガバンクの新しい挑戦」という、宇宙マウスを利用した加齢研究についてもお話いただきました。「きぼう」を健康⻑寿研究⽀援プラットフォームとして活⽤されての研究成果は、メディアにもリリースされていました。
どのお話も非常に興味深く、楽しく、ためになる講義でした。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- ゲノムバンクの現状と、医療への可能性について知ることができました。全国的に展開することに課題がいくつもある様に感じましたが、逆にこの点に企業として関われるポイントがある様に思いました。また、先生の思い描いている理想の未来が大変参考になりました。
- コホート・バイオバンクの存在を知ることができ、創薬や個別化医療といった分野での貢献に、何らかの形で個人的にも会社人としても貢献したいと考える契機となった。
- シニア層を対象としたヘルスケアの課題解決やサービスを模索しております。日本の生命科学研究ではコホート研究が弱いと感じておりました。今回の講演内容では、そのような課題に以前から取り組まれ、その状況を知ることが出来、大きな期待感を持っております。
- 山本先生やチームのご努力で、世界レベル或いはそれ以上の研究と実践及び医療向上の推進に新たな扉を開いて頂いている様に感じられ嬉しく思った為。
- 最新の医療について有益な情報が得られた。先生のご説明も大変丁寧で分かりやすかった。
- 日本でこのような大規模で質の高いコホート調査が行われ、バイオバンクとして活用される体制が整備されつつあるということを知ることができ、感動しました。医薬品の効果や、病気のかかりやすさと免疫力、体調を良好に保つ食品や運動のタイプまで、これまで「体質」という一言で片づけられていたことが近年のゲノム研究により次第に明らかにされつつある、という話は聞いたことはありますが、それはこのような地道で、長期的視野に立った研究により実現されてゆくのだということを実感できました。このような研究の成果がテーラーメイド医療や適格な生活指導のような形で私たちの生活の一部になる日を待ち遠しく感じるとともに、(今はこのような仕事に関わる機会はありませんが)未来のために何か自分にもできることはないかと思わせていただける講義でした。ありがとうございました。
- 自身がデータ分析を実施しているため、今回の講義で学んだゲノム解析の方法等非常に参考になった。
- 継続的に追跡してゲノムデータを公開することの意義と、個人情報を扱う上での難しさ、信頼の重要性を知ることができた。
- 東北メディカル・メガバンクが,国内はもとより,世界的に見ても重要な研究拠点となっていることを改めて理解することができました。これまで取り組んでこられた全ゲノム解析の成果が,ゲノム情報を活用した創薬研究や,ジャポニカアレイによる個別化予防・未来型健診の実現につながっていくことを,大変よく理解できました。現在は自社で研究員としてAI関連の研究を行っておりますが,今後は医療分野での新規事業創出のために,個別化予防向けのAI技術なども検討してまいりたいと思います。
- メガバンクで何が分かったかのか、内容がもっとほしかったです。
- 先生のような取り組み自体を初めて知りました。このような取り組みや先生の姿勢やお考えを聞き、とても将来に期待が持てるものと感じました。各省庁などが理解をもって協力体制のもと進行していかれることを願っております。遺伝子レベルの情報から、様々なことが予見できること、それが比較的極力容易に実現でき、浸透できれば、未病時から効率的な個人の予防や対策に繋がり、各個人に応じたパーソナルな提案ができるようになるのではないかと思いました。
- 出生から始まる3世代コホートの意義がよくわかり、勉強になりました。
- 貴重なお話を聞くことができ、見識を広げられ興味深く拝聴いたしました。ただ、当社事業はカタログ通販事業で具体的な商品までの想像ができなかった点が上記理由となります。今後来るであろうゲノム医療導入・パーソナルヘルスマネジメント社会のその時に向けての貴重な情報となりますので、短期的な観点での感想となります。
- 米国でも欧州でも失敗した、出生三世代コホートのデータベースが日本で作れたのは、信頼を重要視したからであるという点が、大変勉強になりました。将来、かかりやすい病気を事前に予防できる時代、個別予防の時代が来ることに期待しています。
- 未来の健診について学ぶことができたから。
- 東北ゲノムデータバンクの現状、規模、その将来性などとても興味深い講義を聞けた。
- 日本がゲノムのビックデータ化第一線で進んでいることに驚いた。パーソナライズの活かすデータとして大いに期待するとともに未病予防のために弊社も何かできないか、今まで以上に考えるきっかけになった。
- 大規模のゲノム情報の今後の活用に大変魅力があったため
- 医療におけるゲノム活用の状況、課題をお伺いできたため。
- メディカルメガバンクの取り組みがよくわかったので。
- 山本先生やチームのご努力で、世界レベル或いはそれ以上の研究と実践及び医療向上の推進に新たな扉を開いて頂いている様に感じられ嬉しく思った為。
- 実は私自身、3世代コホート調査へ参加しているのですが、娘から協力してねとの言葉でなんとなく参加しました。今回の先生のお話で、本活動に参加していることの意義を改めて知ることが出来、今後も継続していこうと思いました。
- 山本先生のすばらしい取り組みを伺い、日本の医療・医薬にも一縷の希望を持つことが出来ました。
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タグ:NRF2, ゲノムコホート, ゲノム・オミックス解析, 山本雅之, 東北メディカル・メガバンク機構
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