SAカレッジ21年度 コースⅢ第6回月例会 参加者の声
石井 直人 教授「新型コロナウイルス感染症対策に必要な免疫学」
9月22日、SAカレッジ21年度コースⅢ 第6回月例会開催されました。講師は、医学系研究科免疫学分野 医学部医学科長 石井 直人(いしいなおと)教授。講義テーマは「新型コロナウイルス感染症対策に必要な免疫学」でした。
免疫は、T細胞、B細胞、マクロファージなどの多種類の免疫細胞とそれらが起こす免疫応答のネットワークから成り立っており、「良い免疫」とは個々の免疫応答が精妙なバランスで統合されて成立します。逆に、ある特定の免疫細胞や免疫応答が異常(無制御)に活性化することでアレルギーや自己免疫疾患(関節リウマチ等)が起こります。また、新型コロナウイルスの重症化がサイトカインストームで起こることは知られていますが、サイトカインストームとはT細胞とマクロファージの暴走です。
つまり、特定の免疫細胞や免疫応答が強くなることは身体にとって有害であり、適切に制御された免疫応答こそが「良い免疫」に必要です。
月例会では、良い免疫とは何かについて議論すると同時に、新型コロナウイルスワクチンの有用性とワクチン普及によるウィズコロナ社会について議論していきました。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- うろ覚えであったSARS-Cov-2とワクチンと免疫機能の関係性をわかりやすく説明してくださったから。
- SACの月例会でも何回か免疫の講義は受けていたものの、うまく呑み込めていない部分がありましたが今日の講義は大変わかりやすく、わりとすんなりと理解することができました。現在のワクチン事情を把握するうえでも大変役に立ちました。
- 昨今のCOVID-19対策だけでなく、様々な疾患への対応にて重要となる「免疫」の仕組みを、基礎の部分から知ることができたことは、現在進られている施策の理解の助けとなると考えます。
- ワクチンのメカニズムについてT細胞を惹起するタイプとそうでないタイプがあるということを初めて伺い、ワクチン各社での効果の違いについて大変腑に落ちた。
- コロナウイルスに対する免疫についての詳しい知見を得られて、今後の対応に活かせること。
- 自身の知識として漠然としていた免疫について、わかりやすく講義をしていただいた。膨大な新型コロナ感染症に関する情報についても何をポイントに情報に向き合えばいいのか惑わされることが多々ありましたが、健全な情報を獲得する視点、情報の咀嚼力が大切であることをあらためて学べました。ありがとうございます。
- 免疫や抗体について、あいまいな知識しかなかったので、コロナ関連のこと、大分、理解が深まりました。まだまだわかっていないことも多いということも勉強になりました
- 免疫の仕組みを体系的に教えていただき、理解が深まったため。
- 免疫とは何かからお話頂きとても分かりやすかったです。
- ワクチンの効果についても感染予防には抗体が働き、重症化予防には細胞免疫が働くことが理解できて良かったです。
- コロナウイルスに関する正しい知識が整理できた点とデルタ株がかなり厄介なもので、感染力が強力ということがマスコミ報道等より学術的観点からご教授頂いた点です。また、免疫に関してはまだまだ不明な点があるということが分かりました。
- 免疫について理解を深めることができました。また、グループトークも活発に行われ、なかでも介護施設を運営している方のリアルな体験にもとづいたエピソードが印象に残りました。また、接触感染は感染度合いも0.05%程度と低レベルであるとの結果が出ているにもかかわらず、保健所がいまだアルコール消毒の徹底を促す実態があることについて、政府対応についての最新情報を聞かせていただけてよかったです。ありがとうございました。
- 次期総裁候補の、高市早苗先生も著書で述べておられますがこれからも感染症は様々に姿を変えて人類を脅かす存在。これに対して、石井先生の様な方が日本政府や世界と連携し日本で発生するであろう感染症に、過去・現在を分析し対策を練り未来の感染症に対峙しようとしている状況を教えていただいたから。
- コロナ等に対する免疫力やワクチンについて知ることができたので。
- コロナウイルス感染症に関する免疫学という、まさに色々と知りたい内容が詰まった講義でした。以前にもSAC講義でお聞きした接触感染に関する感染度合いの少なさ、しかしその情報が正しく政府からも発信されていない現状課題、今回改めて拝聴したことで、理解が深まりました。
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