SAカレッジ21年度 コースⅢ第1回月例会 参加者の声

押⾕ 仁 教授「感染症共生社会と学際研究の重要性」

4月21日、SAカレッジ21年度 第1回月例会開催されました。講師は、医学系研究科 国際交流支援室室長、感染症共生システムデザイン学際研究重点拠点拠点長 押⾕ 仁(おしたに ひとし)教授。講義テーマは「感染症共生社会と学際研究の重要性」でした。

コースⅢの初回は、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会委員としても著名な押谷教授でした。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる感染者・死亡者数は増加の一途をたどっています。有効性が確認されたワクチンが短期間で開発されました。

しかし、ワクチンによりこのウイルスが短期的に完全に制御できる可能性は限りなく小さく、私たちはこの先このウイルスと共生せざるを得ない、と押谷先生は考えています。

社会経済活動を相当制限すれば、このウイルスの制御ができることは明らかですが、日本だけではなく多くの国が社会経済活動とCOVID-19の制御のバランスをどう取るかで苦慮しています。

また日本においてCOVID-19の制御がより困難になっている大きな理由は、非正規雇用の人たち、貧困にあえぐ若年層、社会の中で行き場を失った中高年、外国人労働者など社会的に弱い立場の人たちの間にこのウイルスが定着してしまったことです。このような人たちと共生する社会を構築することが、感染症にレジリエントな社会を創り出していくことになります。

COVID-19対策で多忙を極めるなか特別にご登壇頂き、感染症対策最前線のお話を直接伺える大変貴重な機会となりました。

参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。


ご意見・ご感想(抜粋)

講義が参考になった理由は?

  • 新型コロナに関する現在までに解読された科学的な分析結果やこれまでそして今後の対応などを非常に分かり易くご講義下さりました。さらに続くコロナ渦での事業計画を考え直すのに大変参考になりました。有難う御座います。
  • 資料だけでは知ることのできない先生のお考えを直接伺うことができ有意義でした。先生の発言にありました「自然科学だけでは抜本的な対応困難。社会学、法学など学際的なシステムデザインが不可欠」というメッセージは心に響きました。
  • 我が国のコロナ対策の第一線で活躍されている押谷先生から直接、本当の話を聞くことができて非常に有意義であった。特に経済活動の制限、社会への伝達方法等については非常に苦労されている様子をうかがい知ることができた。日常の報道ベースでは営業制限を受ける飲食店の困惑ぶり等がクローズアップされ、科学的根拠に基づく正しい方向が周知されていないように感じる。今回の押谷先生から教えていただくような話を多くの国民が容易に知り得る状況を作っていくことが望まれると強く感じた
  • 感染症について、歴史的背景、社会学的背景も含め整理する良い機会をいただけたと感じたため。
  • 対コロナの最前線に立っていらっしゃる押谷先生の問題意識や政府対応の現状について、お話をお伺いでき大変有意義でした。
  • COVID‑19の背景や現在の対応状況など、最前線にいらっしゃる押谷先生からお聞きすることができ、昨今情勢の理解に大変役立ちました。
  • COVID19の、現状が分かり易く理解できました。ただ、一歩先や解決のゴールが観えない事や日本国内をも自由に移動できない事に、嘗て経験した事の無い人類の危機感も覚えました。更に、オリンピックを控え7月以降に更なるパンデミックが起こるのではないかという不安感も感じました。然しながら、先生の様な専門家により政府やマスメディアでフィルターにかかった情報に比べ、実態を詳細にご説明頂きました事に感謝申し上げます。
  • ウイルスの由来(野生の動物の家畜化)がよく理解できました。今後、野生動物には気を付けたいと思います。
  • 感染症の歴史的なもの、文明の進化と感染症の関わり、SARSとCOVID19のウイルスとしての類似性・性質の違いなど、興味深い内容でした。COVID19対応の状況、現状の問題点も参考になりました。日本でSARS感染者が出なかったことが「運が良かっただけ」というのが印象的でした。また、COVID19の対応が後手後手になっている部分や広義な意味でのシステム的な問題あが「SARS感染者が出なかったこと」も一要因であることも印象的でした。
  • 世界的な視点から最新の情報、知見を伺えたから。
  • リアルな現状を知ることができた気がしています。だからこそ、より不安が募りましたが、感染が広がる理由、SARSを経験していないことによる国としての備えの不足を認識で企業として、個人としてできることを検討していきたいと思います。
  • 自分が気が付かなかっただけで、感染症の脅威は常にあったのだということを知れた
  • コロナに関する様々なデータについて活用の可否や、自治体における書式が統一されていない(項目も揃っていないと思いました)など、データを有効に活用することを日々研究、検討している企業からは、少し信じがたい情報でした。医療従事者の活動を支えるためにも、タイムリー且つ正確な情報提供は必須であること、考えさせられました。
  • 今回の講義を受講し非常にわかりやすかった点としまして、COVID-19が中国武漢から全世界に拡大するにあたり国家間を超えての感染の拡がりが起こった理由をご説明いただいたことで今までグラフでしか見えていなかった情報が理解出来ました。同じく日本国内における感染拡大も非常にわかりやすくご説明いただき、クラスター対策の意義を含めた3密対策が拡大防止に如何に重要かを理解出来ました。こどもにも説明できそうなかみ砕いたご説明に非常に感銘を受けました。また時間も短かったものの異業種の方々とのディスカッションも刺激的で、様々な考えのもと自分自身改めて視野を広く持つ必要性を感じました。
  • メディアで報道されている内容が、いかに偏りがあるかを再認識できた。正確な情報、人類と新興感染症の歴史などにも触れられたことで、自身の知見が深まった実感を持てた。
  • 正直、業務以上に個人的にとても関心のある内容でした。COVID19に関する情報は毎日触れてはいますが、ニュース等では常に最新の情報を受け取るような感じですので、過去の記憶は薄れていました。そもそも感染症って?COVID19の変遷ってどうだったんだっけ?日本は?海外は?といった大きな流れでの話が聞けたことで、感染症に対する意識や今、これから、どうしていくべきかを改めて考える機会となりました。
  • 押谷先生からCovid-19の特徴、世界の対策状況など難しい内容を平易に解説いただいたため
  • COVID-19対策の現状が理解できました。また、専門家会議でも経済のことも考慮に入れた議論が行われていることが理解できました。
  • 感染症前線の正しい情報を学ぶことができ大変役に立った
  • 今、起きていることを平易に解説していただき理解が深まりました。

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