SAカレッジ22年度 コースⅢ第7回月例会は、赤池 孝章 教授です!

いのちのしくみ(生命素子)を解明して医学・医療に実装する

SAカレッジ22年度 コースⅢ第7回月例会は、東北大学大学院医学系研究科 副研究科長、環境医学分野 教授、日本細菌学会理事長、⾚池 孝章教授による「新興再興感染症と呼気先制医療」です。

呼気オミックスとは、質量分析装置を用いた呼気エアロゾルのオミックス解析です。赤池先生はこれまで、ミトコンドリアの硫黄呼吸の代謝機構に関わるオミックス研究に取組まれています。
硫黄は自然環境に普遍的に存在し、酸素が生物界に出現する以前から生命進化に貢献しています。しかしながら、生体内の硫黄代謝系については不明な点が多くありましたが、解析を進めるなかで硫黄がミトコンドリアにおいてエネルギー代謝を営むことを見出しました。現在、この様な革新的な硫黄研究を「超硫黄オミックス」と呼んで、その未来型医療への応用展開と社会実装に向けた先端医療技術の開発を進めています。例えば、呼気エアロゾルを用いた硫黄代謝解析・呼気オミックスによる非接触・無侵襲生体情報モニタリング法を確立しつつあります。さらに、呼気オミックスによる先制医療をヒューマンエアローム事業として東北大学から導出する方向で検討しています。本月例会では未来型呼気医療の開発の現状を紹介することで、ポストコロナ時代の新しい医療のかたちを俯瞰します。島津製作所と呼気オミックス開発事業を展開している赤池先生の貴重な講義です。

NHK BSプレミアム・ヒューマニエンスにて、本研究成果が取り上げられました

生体内に大量に存在している活性硫黄種が、ミトコンドリアにおけるエネルギー代謝において必須の役割を担っていることを見出し、加えて、定量的な硫黄オミックス解析を組み合わせ、真核生物における硫黄依存型エネルギー代謝、すなわち硫黄呼吸が、酸素呼吸とのハイブリット型システムであることを示されました。本研究成果は、2022 年 3 月 3 日放送のNHK BSプレミアム・ヒューマニエンス「“呼吸” 不完全が生んだ神秘」にて、取り上げられました。

生体内に大量に存在している活性硫黄種は、ミトコンドリアにおけるエネルギー代謝において必須の役割を担っています。タンパク質のシステイン側鎖にも多くの活性硫黄が存在しており、タンパク質の機能発現や機能制御に重要な生理機能を発揮しています。活性硫黄研究に立脚して明らかになった新しい生命現象は、生物学・生化学の教科書を書き換えることになる大きな発見であり、生命科学研究における大変革の端緒となります。

本研究はラマン分光法を利用して、非侵襲的、非破壊的、かつリアルタイムで、ヒトの生体内の硫黄の代謝状態を評価する最先端の計測技術を開発するものです。硫黄代謝イメージングの最先端技術を開発し、生体のエネルギー代謝機能解析を展開することで、根本的な生命のしくみである硫黄呼吸の全容を理解し、人類の健康、疾病および寿命のコントロールを可能にする疾病予防・診断技術や創薬などの治療開発に応用展開します。

  • 東北大学研究プロジェクト 新領域創成のための挑戦研究デュオ「硫黄呼吸の革新的イメージングの開発と応用」についてはこちら

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