SAC東京5期コースⅠ第1回月例会 事務局レポート

SAC東京5期コースⅠ第1回月例会 事務局レポート

スマート・エイジング概論

pfofKawashima

4月18日(水)開催のコースⅠ第1回月例会講義の事務局レポートです。
講師は加齢医学研究所所長、スマート・エイジング学際重点研究センター長である川島隆太教授、講義テーマは「スマート・エイジング概論」です。

講義は実学尊重の東北大学、「認知症ゼロ社会実現のために」をテーマに認知症予防研究へ取組む加齢医学研究所の紹介から入りました。
人口構造が変わり、社会システムも変わらなければなりません。中国の高齢化をはじめ世界中が高齢化していきます。日本が処方箋となって他国へシステムや製品を売るようなビジネスチャンスをこのSAC東京を活用して掴んで欲しい、と開講の目的を伝えた川島教授でした。

スマート・エイジングとは?

ゴヤの「スープを飲む二人の老人」の絵画から加齢のイメージを整理しつつ、「スマート・エイジングという考え方」を説明していきました。

世阿弥の風姿花伝から「時分の花」へすがりつく生き方はアンチ・エイジングです。東北大学では「まことの花」を得る努力をする生き方、そのために知恵が活かされ、生活の質(QOL)が保たれた状態をスマート・エイジングと提唱しています。

東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターの研究は寝たきりにならない、認知症にならない、そして幸せな死をむかえるために「人生100年時代をどう生きるか?」をテーマにしたスマート・エイジング度の可視化をめざしています。

食とスマート・エイジング

認知症予防の現状、脳と身体のサビを抑える研究、さらには食事が脳に与える影響など、食とスマート・エイジングに関する数々のデータに参加者の目が釘付けになりました。

デジタルヘルスケアの落とし穴

続けて参加者にとってショッキングなデータがたくさん示されました。テレビやビデオは脳のリラクゼーション、すなわち脳を休め加齢、遺伝子に次ぐアルツハイマー型認知症の大きなリスク要因となっています。

さらにスマホはアンチ・スマート・エイジングです。インターネットやLINEの利用時間が増えることによって脳発達に悪影響を与えることも数々の研究によって解明してきました。

川島教授は前頭前野を活性化するテレビ番組を製作済みです。しかし一方で多くのメディアがテレビやスマホがアンチ・スマート・エイジングであるという研究結果を取り上げないという社会事情もあります。

 

【グループ質疑】

グループからの質問が川島教授からたくさんの情報を引き出しました。(質問のみ記載)

Q1.ゲームによって脳の能力が上がるという報告があるがその真偽は?
Q2.認知症におけるアミロイドβとゲームの相関はあるか?
Q3.朝食のデータばかりだが夕食についてはどうか?
Q4.タウタンパク質のメカニズムは分かっているか?
Q5.遺伝子情報の活用方法はどう進んでいるか?
Q6.スマホ利用による脳のダメージの回復方法はあるか?
Q7.認知症になった人への対応方法は?
Q8.食の栄養素以外に噛む、味わうことはどうか?
Q9.デジタルデバイスにおける視覚情報以外に聴覚情報はどうか?
Q10.前頭前野を活性化する方法は?
Q11.川島教授は家族へのスマホの取り扱いはどうしているのか?
Q12.パソコンでオンライン情報を集中してみることはどうか?
Q13.料理が脳にとって良いことは何か?
Q14.仕事、勉強ができる人は認知症になり難いか?
Q15.認知症の薬との因果関係はどうか?
Q16.酸化を戻すために水素は有効か?
Q17.子供脳は6歳で出来上がると聞いたことがあるが、脳の発達と認知症予防の関係はどうか?
Q18.脳を使う時間について、ストレスとベストのバランスはどうか?

総括

これまでは生活の利便性や仕事の効率向上がビジネスのテーマとなってきました。しかし、その産物が本来の人間が持つ能力にダメージを与えていることも分かってきました。
これからは脳機能を活性化させる生活スタイルから認知症予防を行うこと、さらにテレビとスマホの脳への悪影響を解決することがビジネスチャンスです。

第5期においても、参加企業と実学尊重の東北大学が産学連携を組み、これらの課題に取り組んでいきたいと思います。

以上

(文責:SAC東京事務局)

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