SAカレッジ21年度 コースⅠ 第12回月例会 参加者の声

小笠原 康悦 教授「免疫機能を活用して健康支援産業を創出する」

2022年3月9日、SAカレッジ21年度コースⅠ第12回月例会開催されました。講師は、加齢医学研究所 生体防御学分野、スマート・エイジング学際重点研究センター 生体防御システム研究部門長 小笠原 康悦(おがさわら こうえつ)教授。講義テーマは「免疫機能を活用して健康支援産業を創出する」でした。

免疫とは、からだを守るしくみです。今、新型コロナウイルスの蔓延で免疫に注目が集まっています。

免疫には、「自然免疫」と「獲得免疫」と呼ばれるしくみがあり、自然免疫から獲得免疫への連続的な反応によって、からだを守っています。これまで免疫を利用した事業では抗体医薬が有名でしたが、新型コロナウイルス蔓延により、抗体検査や抗原検査、ワクチンなど、免疫を応用した診断・予防法の有用性が着目されています。

免疫には

  • 多様性(どんな物質でも反応できる)
  • 特異性(一つの物質にだけ反応できる)
  • 記憶(過去に出会った物質に反応できる)

といった特徴があるため、これら特徴を利用した事業の展開が考えられます。

本講義では、抗体T細胞受容体の説明をもとに、先生の開発した免疫受容体解析法とその応用について紹介していただきました。さらに、withコロナ時代に向けて、先生の研究技術を活用した健康支援の方策などについて議論し、共同研究、事業化についてお話いただきました。

感染症や加齢に伴う免疫異常を考える上で免疫システムの知見は必須です。今年度最後の講義はコロナ対策を考える上でも大変ためになりました。

参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。


ご意見・ご感想(抜粋)

講義が参考になった理由は?

  • 免疫という言葉がここ1-2年でますます身近になったものの、メカニズムについては全く把握していなかった。全く知識がない中でも非常にわかりやすい講義で、興味関心を持ちながら最後まで拝聴させていただき、同時に免疫受容体の計り知れない可能性についてはじめて考えを巡らせるきっかけになった
  • 免疫受容体解析の事業化に対する、研究の取り組みと課題を理解することが出来ました。
  • 免疫機能や細胞の特長やT細胞受容体の重要性を知ることができたため。そこから受容体の存在が病歴を紐解くカギになることを知ることができたため
  • シニア層を対象としたヘルスケアの課題解決やサービスを模索しております。特に、老化による免疫機能の低下予防に関する臨床評価に興味があります。健常人あるいは未病(境界領域)の方々を対象とした免疫系に関する臨床マーカーの探索及びそのコホート研究は極めて重要であることから、非常に役立ちました。
  • 少し難しい内容でしたがスケール手法の構築について、とても参考になりました。
  • コロナ禍で話題としてホットなTCRに関する講義をして頂き、勉強になりました。
  • 免疫のシステムを改めて復習できたのがよかったです。また免疫受容体をつかった治療や健康モニタリング事業に関しては、非常に可能性を感じました。
  • 個人的にはとても興味深く勉強になりましたが、少し内容が専門的すぎたのと、弊社の事業領域とはあまり重ならなかったかなと思いました。
  • 免疫受容体について、理解が深まりました。また、これをモニタリングすることで、これまでにない手法として確立できる可能性についても知ることができました。
  • 健康を測るという観点、定例的に定点観測ができるとよいと感じました。そのためにも精密検査と簡易キットの併用という考え方は大切だと考えました。
  • 知っているようで、知らない内容でしたので、勉強になりました。
  • 今後の商品サービスを検討するに際しての知識として、大変勉強になりました。
  • 先生のご研究内容をすぐに仕事に活かすことはできませんが、新しいモニタリングの手法として興味深く拝聴しました。
  • 疾患に対して体の中では何かしらの免疫反応が起きており、その結果生じた免疫受容体と疾患の関係性がわかっていれば、血液解析によって新たな情報を得られることがわかりました。遺伝子解析、検査というのは、自分の遺伝情報を知るものだと思っていましたが、健康状態の把握につながるとわかったことが自分の中で大きな発見でした。また、初期段階で検査をして予後予測ができれば、その人に合った治療を適切に行うことができ、大きなメリットかと思います。
  • 健康の定量化の可能性について学ぶことができたため
    弊社の商品は、若しかしたら免疫機能を持っているかもしれないと思っています。その可能性について、NK細胞・ウラシル・T細胞受容体等の言葉が関係しているのではと期待を持った為。
  • 講義をしていただきましてありがとうございました。今回、特に事業化戦略について詳細に説明していただき、研究段階からどのようにして事業化していくのか、という点においてとても勉強になりました。事業化するには、導入によるコストを考慮しつつ効果を考えるのが重要なのではないかと感じました。また、免疫のシステムについて分かりやすく説明していただき、解析によってコロナウイルスの進化論的考察できるということも知ることが出来たため、とても興味深い内容だと感じました。
  • 本年より、弊社のコンテンツで温活や腸活のキーワードでサービスを出しております。免疫と健康は今や切り離すことが出来ない為。又、肌、腸と免疫の関係性が有り、事業の可能性があるとの事ですので興味を持ちました。
  • 福祉事業に携わっているので、認知症への実用化などが進めば、高齢期の過ごし方など大きく変わってくると感じ、今後も注目したい分野であると思いました。
  • 健康を測る指標はいろいろあるが、そのひとつとして免疫受容体があることを知ることができた。
  • 免疫受容体解析は今後の研究に活用できると思います。
  • 免疫受容体からの健康モニタリングということで、弊社が構想するシニアビジネス・ウェルテインメントに直接的に今すぐ通ずるといった内容ではなかったという印象でした。ただ、新しい健康モニタリングが進んでいること。映像診断では分からないことも、マーカーを使った同検査を用いれば健康リスクを先に把握できること等、進化については大変勉強になりました。
  • 「健康を定量・評価できる今までにないモニタリング方法」は非常に興味深かった。”健康”としてなにがわかるのか詳しく知りたいと思った。
  • 免疫受容体は後天的に変化するもので、これを研究することで、画像診断で見つけにくい疾病の早期発見やコロナの重症化リスク検知が可能になるといった事業化が期待できる。
  • これまで健康モニタリングや予測するための情報源として、ゲノム情報や腸内細菌叢が用いられることが良く知られるが、「免疫受容体の解析」は新しい視点で興味深かった。特に後天的な疾患の予測や予防について期待できるのではないかと思った。
  • 興味のある分野だったので、わかりやすく解説していただいてよかった。

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