SAカレッジ21年度 コースⅢ 第10回月例会 参加者の声

水藤 寛 教授「様々な現象に対する数理モデルの構築と実装」

2022年1月26日、SAカレッジ21年度コースⅢ第10回月例会開催されました。講師は、材料科学高等研究所 (WPI-AIMR) 副所長 水藤 寛(すいとう ひろし)教授。講義テーマは「様々な現象に対する数理モデルの構築と実装」でした。

数理モデルとはコンピューターや人工知能(AI)の処理能力向上に伴い自然や社会のありようを数式で表現して研究や開発などに応用することです。新型コロナ感染症が世界に広まると共に、この言葉を耳にする機会が増えました。感染メカニズムの分析への応用が期待されているからです。

一方、「数理モデル」と言っても様々なものがあります。例えば、

  • その実体はいったい何なのか
  • どうやって作るのか
  • どのようにしてその解を見いだすのか
  • 何ができて何ができないのか

これらはまだ充分に理解されているとは言えません。

本月例会では、異なる現象に対する数理モデルをいくつか取り上げ、その根拠や意味を紹介いただきました。その上で、使う際、気を付けなければならない点を解説していただきました。

参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。


ご意見・ご感想(抜粋)

講義が参考になった理由は?

  • 数式はさっぱり・・・?だったのですが、可視化されたモデルの分かりやすいこと!相手に分かりやすく伝えることは伝える側の責任だ、と痛感しました。そして今回質疑応答もとても興味深かったです。「見せ方ひとつ、パラメータひとつでどっちにも方向付けできちゃうからこそ『インタラクティブにあること。いろんなパターンを示し、両極端を見てもらうこと。ユーザのインタラクションをちゃんと入れること』が重要と考えている。」というお話がとても心に残りました。当社もこうあらんと思いました。
  • 「数学」に対するイメージが大きく変わり驚かされました。数学を専攻すると、難しい問題を解いたり、教員に進むようなイメージしかありませんでしたが、「数理モデル」を使って、現実社会の問題解決に貢献されている姿に、「数学」のイメージは大きく変わりました。質問(確認)もさせていただきましたが、防災・減災にも非常に重要な役割を果たされていることも納得・理解できました。「数理モデル」そのものはとても理解できませんが、水藤先生の益々のご活躍を期待させていただくばかりです。
  • 数理モデルの基礎的な考え方から活用例を学ぶことができました。数理モデルを可視化することでわかること、予測されることをどう活用するか。使い方を間違えると恣意的な誘導にもなりえるものではありますが、当社のように医療、健康産業から見ると人間ドックや健診で人の健康状態を数値化するだけではイメージが伝わらない為、数値の変化→可視化し、危険性をヴィジュアル化することで健康維持意識の高まりと健康寿命延伸に繋がると思いました。
  • 計算式等の難しさから数理モデルの話は難しそうであると想像していましたが、様々な現象を紐解くのに大変有効であり、それによって可視化でき、予めリスクコミュニケーションが当事者間で行えることが分かった点。富岳などのスーパーコンピューターの飛沫シミュレーションもTVなどでよく見ますが、数理モデルが絡んでいたこともよく理解できました。
  • コンピュータの進歩により、色々な方法や知識により、数理モデルを構築し、現象を模倣する計算できる領域が大変広がっていることを知り得たこと。
  • 通信環境が悪く十分に講義を聴くことはできなかったものの、数理モデルが社会にどのように役立っているのか具体に知ることができ有意義でした。
  • 講義を聞いて、数理モデルが身近に感じられるようになりました。
  • 今回、講義をしていただきましてありがとうございました。私も大学・大学院と、数理モデルを用いた研究を行っていた経験があり、改めて、数理モデルの役割を理解できました。特にモデル選択に関して、「現実」をどの側面から切り取るかによって決まるため、モデル作成の目的が重要であることを理解しました。私は現在、データ分析プロジェクトに参加しているのですが、データが先にあると、ひとまずデータに触れてみたいと思ってしまい、目的を見失いがちになってしまっていました。改めて、分析やモデル作成は目的を決めることが肝心だと感じました。
  • 数理モデルの選定は、目的とする問いかけに対する解を導くための選択肢であり、唯一の正解を導くものでないないのだという気付きをいただきました。
  • 数理モデルについて多くの種類があること、活用の仕方・事例、問題点など体系的に知ることができた。
  • 失礼ながら、数学者はフィールズ賞を目指し解けない難問解読に専念していると思っていましたが、本日の講義で認識が覆されてこれ程に実学の各部門と共に科学・化学発展に寄与している事を知り、驚きと共に認識を大きく変える事になりました。有難うございました。
  • 数値だけでなく、映像として可視化した結果を解説して頂いたので、わかりやすかったです。

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