SAカレッジ21年度 コースⅠ第8回月例会 参加者の声
筒井 健一郎 教授「脳内の「報酬系」「罰系」は消費行動にどう影響するか?」
11月10日、SAカレッジ21年度コースⅠ 第8回月例会開催されました。講師は、大学院生命科学研究科 脳神経システム分野 筒井 健一郎(つつい けんいちろう)教授。講義テーマは「脳内の「報酬系」「罰系」は消費行動にどう影響するか?」でした。
私たちの脳の神経ネットワークには元気ややる気を感じさせる「報酬系」と、恐怖や不安を感じさせる「罰系」があります。また、これらの働きに関わる脳内物質が、ドーパミンやセロトニン等のモノアミンと呼ばれる物質です。
近年、これら「報酬系」「罰系」が、人の行動に対して様々な影響を与えていることがわかってきました。ビジネス現場では消費者の潜在的な消費性向を理解し、購買行動を理解することが不可欠です。そのためには脳内の「報酬系」「罰系」の仕組みの理解が極めて有用です。
今講義では、複数の消費行動事例を取り上げ、脳の「報酬系」「罰系」が、どのように働くのかを事例で解説いただき、シニアの消費行動を深く理解したい方には必聴の講義となりました。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- 人の行動の原理「報酬系」「罰系」の働きのメカニズムがよくわかりました。消費行動への影響も実例を交えて教えていただき、今後の商品開発に生かせそうです。
- ドーパミン、セロトニン、オキシトシンの詳細が理解できたとともに、どのような行為が影響するのかの理解も深まった。
- 今後目指すべき旅の在り方に大いに参考になりました。健康寿命を延ばすことは弊社のようなシニア向けの学びの旅を実践する企業にとっては医学的な健康データーを習慣化させることが高齢者の入り口に入る人はこのコロナ禍で多くなることは予想されます。現在取り組んで切る課題にも大いにヒントとなりました。
- 脳科学の視点から消費行動を理解することができ、マーケティング理論とは違う観点の話は非常に興味深かった。
- 自身の普段の行動(意思決定)が、ドーパミン、セロトニンに代表される神経伝達物質の働きが作用していることを理解することができた。弊社で運用しているシニア向けオンラインコミュニティの視点では、コミュニティ訪問を習慣化してもらうための価値を追求していくことはもちろんのこと、①会員個々の欲求レベルや、②ドーパミン/セロトニンに強く影響する日常の行動、をいかにしてオンライン上から把握するか、という新たな課題の気づきを得ることができた
- 実ビジネスへの汎用性の高い内容であったから。今回、3社連携でプロジェクトを進める運びとなりました。この取り組みにおいても、報酬系/罰系の知見を活かした習慣づくり/行動変容というテーマにおいて、弊社の事業活動に有効な知見を導き出してゆけたらと考えています。個人的には「目的行動と習慣行動の繰り返しにより、価値が「学習」され「記憶」されていく(P.51)」。この内容が強く心に響きました。この知見は、企業として選ばれる理由づくり(ブランディング)につながるものだと思いました。このような意識をもって、仕事に取り組んでゆけたらとの思いを強くしました。今回の取り組みの中でも、村田先生はもとより筒井先生のご指導を仰ぐことになりますが、引き続きよろしくお願いいたします。
- ヒトの、日常生活における意思決定に大きく作用する神経への伝達物質がドーパミン・セロトニン・オキシトシン等で構成されている事を学習できたから。
- シニア層を対象としたヘルスケアサービスを模索しており、消費行動への脳内の報酬系や罰系の仕組みや体験との関連がより理解でき、顧客のターゲッティングの参考になったので。
- 脳内の報酬系、罰系についてわかりやすく解説いただいた後に、どのように消費行動に影響するかを具体的な事例をもって知ることができたため、自社のサービスへの応用について考えることができた
- 習慣行動へのフェーズ移行には、繰り返し消費を促す必要があり、そのために商品を選んで貰うための金銭的・心理的コストを下げることが重要である点。
- 購買決定を紐解いて「意思決定は「報酬系」と「罰系」のせめぎあいである」と伺うと、どのようにアプローチするべきかより明確になった気がします。また、目的行動から習慣行動に移行して頂く為に、「かんたんに出来る仕掛けを入れておく」と言う事も、目的行動から習慣行動への意向の為なのだという視点を持つことでより購買行動のデザインが出来るようになると感じました。そして、「富裕層対象の商品には一般消費者とは別のビジネスモデルが必要」という所が大変腑に落ちました。
- 人の購買行動の中には、様々な脳内の物質と経験が関係しているということが分かり、新たなサービスを検討するうえで、ターゲットを絞ることに役立つと感じたため。
- 消費行動や意思決定の裏にある、脳の構造を体系的に理解することができ、大変勉強になりました。
- 人の安心,嬉しさは脳内のドーパミンやセロトニン,オキシトシンなどのモノアミンの分泌によって大きく変わり,またそれを活性化する方法も異なることが非常にためになった。またその先にある目的行動から習慣行動への誘導がマーケティングにも大きく影響を与えるということも学べたため。
- 「やる気」「元気」がでる仕組みを脳のドーパミンの働きついての知識は、ヘルスケア領域の事業企画を行っているため役に立つと感じた。
- 人の意思決定にドーパミンのような脳内物質が深くかかわっていることを改めて学ぶことができました。研究開発職として意思決定を支援するAI技術を研究してきましたが,主に予測や最適化技術が中心でした。学んだことをヒントに,人の「やる気」や「元気」をAIが支援する仕組みを考えてみたいと思います。コロナ禍による在宅勤務でモチベーションを保ち生産性を上げることが難しくなってますが,そういった面を技術でサポートできればと考えています。
- 消費行動に影響する脳内物質の内容であった為、直接業務に結び付けやすかったです。
- ヒトの意思決定は、「報酬系」と「罰系」のせめぎ合いの過程であり、常に選択をしいられていることから、習慣行動化が形成される。この行動がシニア向け商品開発(定番商品)のヒントになると感じた点。それと、ニッチな商品は、年齢によってとらえ方の違い(商品新奇性と親和性)はあるが、興味という観点で差分がない事を理解できた点が、役立ちました。
- 消費決定の脳内のプロセスを学習、要求の階層と報酬系の関係の学習、習慣化の要素
- 通信販売を担当していて、定期的に商品を購入していただくために日々工夫をしていますが、習慣行動への移行に関する部分が今後の販売促進のヒントになりそうです。
- 脳の働きと購買行動の関係について今まで良く理解していませんでしたが今回良く理解できました。
- 「報酬系」「罰系」が脳に与える科学的な仕組みから、実際のサービス例などまで知ることができたため。
- 科学雑誌などで軽くしかきいたことのない、報酬系・罰系の脳の働きと意思決定の話を具体的にきけて勉強になった
- 消費行動として報酬系、罰系が大きく影響していることを理解できた。
- 脳科学的に消費行動はどういった脳内影響があるのか、大変興味もあったし、勉強になりました。報酬系vs罰系で決まってくる消費行動・意思決定、今後のマーケティングに対する重要なキーになってくると感じました。
- 他業種ではあるが、企業が何故成功しているのかの理由を知ることが出来、人々の習慣行動の仕組みを知ることができたと考えます。
- 目的行動が習慣行動化されるのにドーパミンが関与していることや、物事の選択に報酬系と罰系のバランスが寄与していることなどを知ることができたから。
- 消費行動と脳科学が直接に結びついた内容で、今後の商品開発に役立つ内容でした。
- ドーパミン、セロトニン、オキシトシンの作用などは精神心理学の本などで把握している内容でしたが、改めて認識することができました。
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