SAカレッジ21年度 コースⅡ第6回月例会 参加者の声
江草 宏 教授「ips細胞を利用した骨再生材料の創生」
9月8日、SAカレッジ21年度コースⅡ 第6回月例会開催されました。講師は、大学院歯学研究科分子 再生歯科補綴学分野、大学院歯学研究科 歯学イノベーションリエゾンセンター長、大学院歯学研究科 先端再生医学研究センター長、東北大学病院 副病院長 江草 宏(えぐさ ひろし)教授。講義テーマは「ips細胞を利用した骨再生材料の創生」でした。
歯科治療の概念を大きく変えたインプラントの原理が発見されたのは二十世紀半ばのことです。以来、この治療が普遍的なものになるのに約50年もの年月を要しました。
日本発の科学技術である“iPS細胞”は、発見から約15年が経過しましたが、現在も国民の期待を集め、その医療への応用が推進されています。はたして、iPS細胞は、身近な医療技術となっていくのでしょうか?
江草先生は、iPS細胞から人工骨を作製し、これを基盤とした新たな骨再生医療の事業化に取り組んでいます。細胞を用いた医療技術を事業化する際にどんな課題に直面し、それをどのように解決していくのか、今日に至る長い研究開発の道のりとともに紹介していただきました。
そして、大きな期待を集めている近未来の再生医療技術について、江草先生が構想する夢のあるビジョンと研究開発およびその事業化に関する最前線の情報をお伝えいただきました。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- 再生医療技術はIPS含めどんどん進展しているが、公的医療保険・国家財政の持続性を勘案していくと新技術がコモディティ化しない限り生活者がその恩恵を受けられないということを改めて認識しました。
- 歯茎の線維芽細胞をiPS細胞に変性し、分化していくことを知り、ワクワクしました!
- iPSの最新の研究に大変興味があり、その一端を聞かせていただいたため。
- iPS細胞を利用した医療材料の作成と言う応用利用があることがわかって面白かった。
- 歯は再生できない、骨は再生できる、歯がなくなるとあごの骨は痩せていくという講義内容は衝撃的な事実でした。
- ニュース等ではよく聞いていたが、実はよく理解できていなかったiPS細胞や再生医療などを分かりやすく説明頂けたので。
- 歯科にIPS細胞を活用される研究について、ストーリーやアイデア、実験状況や結果を含めて、わかりやすく講義いただき大変ありがとうございました。有意義な時間をいただきました。
- 再生医療について理解が出来ました。高齢者よりも年齢が若い方への提案が良いかと感じました。
- 現在、歯周病と生活習慣病との関係性を踏まえて、口腔ケアに関する行動変容についてPoCを行っています。口腔ケアを怠らずに歯を失わない、骨を溶かさないことが一番かと思いますが、万が一のことが起こった際のソリューション、口腔ケアの後続プロセスとしてiPS細胞について勉強することができ、ためになりました。
- iPS細胞の作り方や特徴をわかりやすく説明していただいて、iPS細胞について理解することができました。そして、iPS細胞を用いて骨補填材を作り、あごの骨を修復するプロセスについて知ることができました。また、歯を失うことで生じるリスクについて知ることができ、今後の新事業創生などに生かす方法を考えたいと思います。
- 歯科の分野で先進的な話は最近聞けていなかったため、新しい治療の時代が来ると思うとわくわくできた。
- 細胞、再生医療、というキーワードに携わるのはハードルが高いからと、なかなか検討に踏み切れていませんでしたが、非常にわかりやすくご説明いただき、距離が少し近づきました。技術を市場に浸透させていくには、コスト含め企業でもできることがあるのでは、と思いますので、歯の健康啓蒙活動等ふくめ社内に持ち帰り検討したいと思います。
- 歯科領域の医療財源は非常に少ない現状を理解することができました。そのため、自由診療でもお金を払ってくれるような画期的なソリューションが必要になると感じました。一方で、医科領域よりも参入プレイヤーが少ないと思われ、そのためビジネスとしての伸びしろはまだあるようにも感じました。特に「口の健康がQOLに繋がる」というお考えは、今後のスマートエイジングビジネスの切り口として大切な切り口だと感じました。
- 今まで漠然としたiPS細胞の理解だったが、全体感を理解できた。また先生の研究に対する想いや熱が伝わってきて、研究ストーリーについて感銘したため
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