SAC東京5期コースⅠ第7回月例会 参加者の声
10月24日、SAC東京コースⅠ第7回月例会 参加者の声
講師は、東北大学加齢医学研究所 生体防御学分野スマート・エイジング学際重点研究センター 生体防御システム研究部門長の小笠原康悦教授。講義テーマは「免疫機能を活用して健康支援産業を創出する」でした。
免疫のしくみを応用した産業として抗体医薬が有名で、今年度のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生のがん免疫療法も一つです。しかし、抗体医薬以外にも免疫を応用した産業化の大きな可能性があります。今回の月例会はその話題でした。例えば、がん(抗原)にぴったり一致したT細胞受容体(抗体)が選択されることでがんをやっつけることができます。これが免疫の働きです。
T細胞受容体は10の18乗(100万テラバイト)という膨大な数の「レパートリー」と呼ばれる複数の形を持っています。この多様性に富む仕組みのために、私たちの体はどんな異物や病原体へも対応できます。このT細胞受容体の「レパートリー」を解析することで、生まれてから後天的に感染した病気やがんなどの刻々と変化している身体の状態を計測できるのです。この原理を用いて低コストのモニタリング商品が実用化できれば、遺伝子検査以上に高精度な健康管理商品として健康関連市場に大きなインパクトを与えられます。
最先端の免疫研究動向から事業化間近な研究成果の話が聴ける絶好の機会でした。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- 免疫的なアプローチが環境影響を測るデータとなり、遺伝的なアプローチと補完的な関係にあるという視点は参考になった。
- かなり専門的な内容になってましたので難しかったですが、免疫機能について、たくさんの事を知ることが出来て、大変勉強になった。
- 免疫受容体の存在を良く知らなかったので大変勉強になりました。
- 免疫細胞で病気を評価する手法そのものが非常に興味深かったです。免疫細胞から分かること、的確さから、ぜひ人類のために事業化しないとと思いました。
- 今までにない「免疫」というサイエンスネタに少々戸惑いましたが、製薬系にとっては大変興味深く、最近のトレンドで良いと思いました。
- 普段の業務の中で、中々触れることができない、健康支援産業について勉強することができるいい機会になりました。免疫受容体から寿命、健康状態がわかる、これが今後事業化し、広く、多くの方に伝わっていけば、これからの健康に対する、見方も大きく変わっていくのではないかと感じました。弊社で今後どのように活用できるか考えながら、講義を聞かせていただきましたが、やはり普段平日に来られる高齢者の方へ、施設として健康情報発信、啓発イベントを通しての認知向上から、お客様の健康も支えることができるロイヤリティーの高い施設作りに活用ができるのではないかと感じました。これからも、アンテナを張りながら、協力できるものは参加させていただきたく思います。
- 免疫の研究からしばらく離れていたため、大変興味深く拝聴しました。
- 遺伝子検査サービスを提供しているということもあり、免疫受容体解析との組み合わせなど、非常に想像を膨らませられる部分があった点と、・最新の研究についてお話いただけた点
- 抗体をつくってきた体に「T細胞受容体」が病歴記録として残っていること自体に全く無知であったので、大変興味深い講義であった。マーカーとして活用することで新たな検診や、その人の健康寿命の予測ができる可能性に驚きを感じ、高齢社会での活用の広がりを模索したい。
- 静的・動的それぞれの状況をとらえる手法の違いや免疫に関する情報を整理することができた、また、免疫に関しては、腸内細菌叢の改善の面で、食で貢献できる可能性がある事がわかったから
- 最近は日本の技術の進歩が遅れていると感じているなか、最先端の医療技術の紹介があったため、少し安心した。
- 初めて聞く内容も多く、参考になりました。私には難しい点も多くありましたが、村田先生のアイスブレイクや質疑応答でだいぶ理解が深まりました。次回のゲノムが楽しみになりました。
- 健康状態の動的なモニタリング法としての免疫受容体解析の概容がわかり、そこに事業化のチャンスがあることを知ることができました。TCR解析結果をどう個人へのソリューションにつなげるか、ビッグデータを活用したどんな事業が検討できるか考えていきたいと思います。
- 通常業務ではなかなか知りえないお話を、分かりやすく講義頂きました。
マーカー検査の仕組みなどが、恐縮ですが全く無知でしたので大変参考になりました。情報資産として鑑みると、マーカー試験者のデータをそろえれば生物兵器の開発も可能という視点でのお話には大変、恐怖を覚えました。国策として日本国内ですべて完結する形をとり、これを国の基幹産業に据えていく方向で考えられないのだろうかと思いました。 - 免疫について理解が深まったため。
- 免疫受容体解析法による新規事業創出の可能性について分かりやすく講義いただき、理解を深めることができたため。質疑含め、他社技術との差別化ポイントや創薬への応用可能性に関して有益な情報が得られたため。
- 今回、具体的に事業化提案のお話として講義が行われたこともあり、ビジネスに直結したかたちでのイメージがしやすかったです。新しい医療技術がどのようにし、ビジネスに乗っていくかという流れもなんとなくわかり、とても参考になりました。
- 市場規模が大きく非常に興味深かったが、TCR解析コストのネックが輸入している試薬の価格という話だったので、弊社の現在のビジネスからは遠いと感じたため。
- 一般的な免疫系の話しだけでなく、先生の開発されたTCRレパートリー解析というおもしろい技術の紹介をして頂けたため。
- 免疫受容体解析により、過去の病歴が分かること、またその応用として寿命の予測を展望できそうな可能性について知ったこと。
- 普段馴染みのない分野でしたが、非常に分かりやすい講義で新しい健康の管理指標としてビジネスの拡がりを感じました。
アイスブレイクが有用だった理由は?
- 今回は話の難易度も高かったため、アイスブレイクでのやり取りのおかげで理解が進み、また質問しやすい雰囲気となったことは助かった。
- 村田教授のご質問により、内容がわかりやすくなったため。
- 講義のポイントを再確認できました。
- 学術的な内容に関する解説込みのアイスブレイクだったので。
- 村田教授のおかげで、だいぶ理解が深まったため。
- 初めて参加したということもあり、専門的な知識が未熟で、内容が自分の中に上手く落とし込めない部分がありましたが、そこを質問と解説から、噛み砕いてお話いただけて、理解度が深まりました。
- 特定しやすい疾患とそうでない疾患が明確になりました。
- 講義内容に関する理解が深まったため
- 講義が予備知識(予習?)を必要とする専門的内容であったため、全体感としての整理によって理解が深まった。
- 具体的な検査の情報(ex血液がどの程度必要か)など確認していただいた
- 緊張が解けて良かった。
- 文系でもわかるよう、かみ砕いて説明してくれたので、理解が深まった。
- TCR解析は、腫瘍マーカーの値が高いときなど、CTスキャナで病状を認められない状況でも早期に発見できるというメリットがわかりました。総括でも触れておられましたが、免疫受容体の回析は産学のとりくみだけでなく、国が関わるべきものという課題に気づかされました。
- 我々がなんとなく聞き過ごした内容を深堀頂きました。(TCR解析の詳細質問や、具体的にどういう病気に効果が出るのか等)
- 自分は食物アレルギーがあったり、身内がガンで亡くなっているため免疫のお話については、多少、お医者様からお話を伺っていた経緯があり、今回の講義は大変興味深く伺いました。一方、免疫の仕組みに事前の知識がないと、統計などを含め専門的なお話でしたため、参加者により理解度に相当のばらつきがあったように思いました。アイスブレイクが無ければ、グループワークが今回は難しかったように思います。
- 疑問点が解決したため。
- 重要なポイントを前もって明確化いただけたので、理解が深まったとともに、その後のグループディスカッションでより深い議論・質問を考えることが出来たため。
- 予習の講座テキストを読んだ際にも、「特異性、多様性、レパートリー」の部分がよくわからなかったので、説明をうかがってよく理解できました。
- 講義内容が専門的であり、理解の助けになったから。
- 講演時間が1時間ありボリュームもあるので、チーム議論をする前に一度軽く復習できる機会として有用である。
- 医学分野で専門的で難解な部分について、質疑応答を通して明確になったこと。
- 講義中疑問に感じていいたことを村田先生が確認してくださったたため。(TCR解析ですべての既往歴を解析できるわけではなく、免疫系が関わる病気に限られること)
グループトーク、グループ質疑が有用だった理由は?
- 今回のテーマは内容が難しいながらも、関わり合いの強い企業の方がグループ内に多く、それぞれの企業の立場で事業化された時のイメージをもって議論が出来てトーク内容が盛り上がった。
- 立場が違うメンバーの着眼点がわかり、有益でした。
- 一方的に聞いただけでは頭に定着しないが、議論することで定着しやすくなるため。
- いつものように立場や職種の異なる方々からの意見があって面白かったため。
- 初参加で初リーダーということもあり、グループの皆さんに大きく迷惑をかけてしまいましたが、普段専門的に健康事業に取り組まれている方や、私共のように他業種の方の意見も伺うことでき、新しい発想に結びつくような、意見交換ができたと思います。グループ分けは、ランダムで決まるとは思いますが、今後もできるだけ、他業種や色々な分野の考え、知識交流を図ることができればと思います。
- グループトークではあまり意見等が出なかったですが、グループ別質疑では、TCR解析により明らかになるポイント(予測が可能なのかなど)、見出した技術のビジネスへの展開ポイントが明確になりました。
- 業界・業種の異なる方の、様々な角度からの質問は視野を広げる上で大変参考になった
- 同グループに製薬会社の方がいて、グループトークに熱があった。質疑では、T細胞の活用に意欲を感じるものもあり、「マーカー」という”モノ”は、(知識という教養以上に)ビジネスに活用しやすいのであろうと感じた。
- 中には自分では思いつかない発想、質問の方がいらっしゃるので、毎回刺激になります。
- 自分たちのグループでは気付かなかった観点での質問が多数あり、勉強になった。
- 難しい内容だったので、グループで討議することでも理解が深まった。
- T細胞の活性化は、生活環境(食事・腸内環境・ストレス)も影響があることと、免疫受容体の回析が不妊治療など現代社会の問題にもソリューションにもつながること等が質疑応答がわかりました。
- 初めての参加でしたが、様々な業種の方が集まり、多様な視点でのご意見を伺うことが出来ました。
- 製薬会社の人が同じテーブルに座っていたこと。実際に分析に携われる方の観点での発言をうかがえたこと。
- 自分では思いつかなった疑問や考えを知ることができたため。
- グループ内でのディスカッションで様々な視点のアイディアを聴取することができ、複合的な質問の創出に繋がったと感じるため。
- 今回、グループの中に、実際に遺伝子検査キットを扱っている方、ライフサイエンスに明るい方がいらっしゃったので、ビジネスベースに乗せるうえでなにが知りたいかを明確に話されていたので、個人的にはさらに理解を深めることができてよかったです。
- 自グループは興味が比較的同じ所にあったが、他グループから出た不妊の話は個人的に興味深かった。必要な血液量(自宅で実施可能か)も参考になった。
- 色々な背景を持っている他社の方と話すことで、自分にはない視点が参考になる。
- グループ討議を徹して講義の内容の理解が深まったこと。
- 具体的な開発の進捗具合やターゲットに関する質問が多かったが、先生の歯切れがよくなかったので益々気になりました。
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