SAカレッジ22年度 コースⅠ第6回月例会は、筒井健一郎 教授です!
高次脳機能のシステム神経科学のエキスパート
SAカレッジ22年度 コースⅠ第6回月例会は、大学院生命科学研究科脳神経システム分野、筒井健一郎 教授「脳内の「報酬系」「罰系」は消費行動にどう影響するか?」です。
私たちの脳の神経ネットワークには元気ややる気を感じさせる「報酬系」と、恐怖や不安を感じさせる「罰系」があります。これらの働きに関わる脳内物質が、ドーパミンやセロトニン等のモノアミンと呼ばれる物質です。近年、これら「報酬系」「罰系」が、人の行動に対して様々な影響を与えていることがわかってきました。ビジネス現場では消費者の潜在的な消費性向を理解し、購買行動を理解することが不可欠です。そのためには脳内の「報酬系」「罰系」の仕組みの理解が極めて有用です。本講義では、複数の消費行動事例を取り上げ、脳の「報酬系」「罰系」が、どのように働くのかを事例で解説します。
最近の研究成果について
世界初の脳活動の操作による霊長類うつ病モデル
うつ病は、気分が強く落ち込む、やる気が出ない、などを主な症状とする精神疾患で、活発な社会生活を送ることを脅かすものです。有病率が高く、社会的損失も大きいことから、いち早く克服しなければならない喫緊の問題と考えられています。これまで、うつ病の病態理解や新規治療法の開発を目的として、げっ歯類を用いた多くのうつ病モデルが考案され利用されてきましたが、より効果的に研究をすすめていくために、ヒトと同じ霊長類で、脳の構造・機能やそれに基づく認知・情動機能に共通性が高い、サルを用いたうつ病モデルの開発が期待されていました。東北大学大学院生命科学研究科の中村晋也助教・筒井健一郎教授らは、東京大学、昭和大学との共同研究チームと、サルを使った動物実験で、反復経頭蓋磁気刺激を使い、脳の活動を局所的に操作することによってサルに人工的にうつ病を発症させることに、世界に先駆けて成功しました。本研究によって、うつ病の発症機序や病態の理解と、その予防と治療法の開発が進むことが期待されます。実用的には、うつ病治療の新薬候補の評価のためのモデルとして注目されています。本研究成果は、Experimental Neurology誌 電子版に7 月7日に先行掲載されました。
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