SAC東京5期コースⅠ第8回月例会 参加者の声
11月21日 SAC東京コースⅠ第8回月例会 参加者の声
11月21日、SAC東京5期 第8回月例会開催されました。
講師は、東北大学 東北メディカル・メガバンク機構の長神風二 特任教授。講義テーマは「大規模バイオバンクと社会との接点」でした。
東北メディカル・メガバンク計画は、東北大学が東日本大震災からの復興事業の一環として進めている注目の事業です。これまでに15万人を超える地域住民から生体試料・各種情報の提供を受け、世界でも有数の大規模なバイオバンクを構築しています。
バイオバンクに蓄積された膨大な試料・情報は、構築にあたった東北大学のみならず民間企業を含む全国の研究機関で利活用が可能な仕組みが整えられています。
一方、こうした仕組み構築のためには、個人情報保護をはじめとしたセキュリティ面の対策、ヒト由来の試料・情報を利活用するための倫理面の配慮、有効に利活用されるための知的財産面のルールの整備など、社会との接点における多くの取組が必要となってきました。
今回は東北メディカル・メガバンク計画の概要を紹介すると共に、構築した大規模バイオバンクが持続可能な形で、社会で利活用され続けるための取組と今後の課題についてのお話があり、東北大学が世界に誇る未来型医療の最前線を知る絶好の機会となりました。
参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。
ご意見・ご感想(抜粋)
講義が参考になった理由は?
- ゲノムコホートの動機、設立の理由が非常に日本人らしいもので、震災を経験した日本人だからこそ実現出来たシステムだと感じた。金融データを扱う会社として、ゲノム情報の取り扱いやネットワークの構築の仕方など、親和性を感じ、勉強になった。
- 震災をきっかけにデータが蓄積し、ゲノムの研究が進んでいることの驚き。未病への活用など、将来性に心が弾んだ。環境変化による人の行動変化が、ゲノムにも影響を与えるという(非公開の?)コメントは特に驚きで、反対に人の生活と身体をよくすることもできるのではないかと感じたことなど、多くの発見・気づきがあったため。
- 東日本大震災被災当時のことや、その体験から感じたこと等、大変貴重なお話を伺えたと同時に、これから来ると言われている大震災に向けて、非常に重要で、かつ必要なプロジェクトであると感じました。地域、性別、年齢はもちろん生活習慣によって、一人一人に様々な対応が必要な中で、災害時に移動した先でも情報の共有によって、いつもと同じ対応が受けられるというのは、被災者の健康、ストレスを少しでも改善できる可能性があると思います。それにより多くの命を救える、今後より取り組んでいかなければならないプロジェクトだと感じました。
- 東北メディカル・メガバンク設立の背景の熱い想いを伺い、感銘を受けました。何かを成そうとするとき、その根底にある想いが重要だということ、そして繰り返して伝えることの大切さを学ばせていただきました。世界のバイオバンクの状況や、国内におけるバイオバンクネットワークの情報や、産業界との連携が様々展開中であることを理解しました。
- 東日本大震災のご経験を踏まえて取り組まれたプロジェクトであることから、メディカル・メガバンクへの強い思い、信念が伝わってきました。個別化予防・ヘルスケアに向けて、収集したデータを活用したツールの開発やネットワークの構築が進められている中で、Actionableになるまでにはフォローアップや保険など制度面での課題もあることが把握できました。
- データバンクの最新動向について学ぶことができたため。
- 地域課題解決、最先端技術活用、異業種間連携など、昨今重要視されていることを、学術機関ならではの形で展開されており、各産業へ与えていく影響の大きさが窺えた。個別化医療・個別化予防に関して、こういった技術を取り入れながら、地域医療、多世代地域共生社会構築に取り組んでいきたいと感じれた。
- 15万人規模のコホート調査を実施していることと、医療・薬品・食品以外の業界でもコホート調査にアドオンできる可能性があることを知れたため。
- バイオバンクのデータと居住地の相関性の話(病院が遠い方がBMIが高い)が面白かった。バイオバンク内とその他データ(例:天候や公共/商業施設の位置関係)との組み合わせでこれまで見えない新たな発見ができそうだと感じました。
- 現在、製薬協主導によるToMMoのバイオバンクを活用する研究の計画に関わっており、バンクの内容を把握することが出来て有用だった。また、東日本大震災を風化させないためにも、当時の現場のお話を聞くことができたことは個人的にとても勉強になりました。
- ToMMoが設立された背景、経緯や目指していること、その他の事業との関係性がクリアになりました。
- これまでとはまた違った内容で、興味深く拝聴しました。一から健常者・患者データを採取することは難しい昨今、このようなデータバンクがあるのは、メーカーとしては大変嬉しいです。セキュリティや情報量、協力も多く得られそうなので何かに活用ができそうです。以上の背景から「大変参考になった」としました。
- 東北大学のメディカルメガバンク事業の意義に大変感銘いたしました。コホート研究のデータが”分譲”されているという事にも驚き、興味を持ちましたので、一度アクセスしてみます。前回の月例会同様個別化ヘルスケアの実現にはエンドユーザーがどう使っていくかということが大事という話になりましたが、この部分の領域ではエンドユーザーに近いところにいる私どもの知見が役に立つと思いますし、是非実現に向けて関わっていきたいので、会社含めて何ができるか考えてみたいと思います。
- 長期的な観点から地域や日本の健康を考えている活動について知ることができたから。
- 今後のヘルスケアの目指すべき方向と思われる個別化ヘルスケアに示唆を頂いたこと。
- 大きなメディカル・メガバンクとして複合バイオバンクの構想、また、各地で様々な産学官コラボレーションのある中、震災で被災された地域における協力体制のお話など、とても「人間」に立脚したお話をきくことができ、理解が深まりました。
- 震災の話は8年経っても色あせることなく、風化させてはいけない出来事であると改めて思いました。本編の内容としては特にコホート研究の結果等について非常に興味深かったです。
- 東日本大震災からの創造的復興を目的とした、東北メディカル・メガバンク設立の起点と、その背景と志を理解していただくことによる、コホート参加者の積極性とマインドに大変感銘を受けました。また、add-on調査による民間企業への開かれた可能性に大きな期待を寄せることができました。
- メディカルバンクで何ができるのか、他企業さんでの実例も踏まえて話して頂けたため。個人的には冒頭の成り立ちの話しがとてもよかった。
- メディカルバンク計画遂行の想い、目指す世界、使命感が伝わってきた良い講義でした。企業として、協力・貢献できることはやりたいと思います。
アイスブレイクが有用だった理由は?
- 専門領域の知識について一般ユーザー(?)として理解を深める解説をもらい、また、研究背景について教養を得られたため。
- 普段医療や、健康の専門的な研究、計画を実施しているわけではないので、専門的な知識がない分、節々の言葉の意味や、内容が掴みきれない所があります。それをアイスブレイクによって、私たちでもわかりやすく、話を飲み込めるよう解説して頂いたことで、より深く講義の内容を理解することができました。
- 自分ではスルーしていたポイントを深堀していただき、理解を深めることができました。
- 倫理面での課題において、プライバシー性と公共性の2面があることがクリアになりました。
- 自分が気がつかない点について質疑で教えていただけたため。
- 参加者が疑問に感じているであろう点などを、村田特任教授が的を得た質問で講師から分かりやすい回答を引き出せていたことが、セッション形式のようで、講義とは異なる熱量で拝聴できた。
- 産学連携に関する質問をしてもらえたので、グループ別質疑ではさらに深い質問をできたから。
- 本分野に精通している人にとっては当たり前の討議であったかもしれないが、質問を考える上で大変に参考になるやり取りだった。「3世代コホートをのメリットは?」の質問は先に聞いておきたいことだったのでアイスブレイク中に回答がもらえて有益でした。
- 質問されていた内容は、どれも気になる内容でしたので、先生の講演内容を理解するのに有用だったと思います。
- いつも通り、プレゼンテーションの理解が深まりやすい質問をしてくださっていた。
- なかなかわかりにくい点を、村田先生が簡潔に聞いてくれていたため。
- 村田先生のアイスブレイクである程度の疑問が解決してしまった為質問が少なくなってしまいました。
- 講義の理解が深まったため。
- 認識していなかった不明点について、質疑応答の中でよく理解できたこと。
まさに「行動変容」の課題をお伺いできました。「されやすいかどうか」がゲノム解析で分かっていくのは非常に面白いと感じます。例えばWeb広告のターゲティングでも「購入ボタンを押す行動が多めな人(買いやすい人)」というセグメントがあるときいています。表にはあまり出ないものですが。 - コホートや遺伝子関連など初参加の方には聞いたことのない単語もあったと思いますのでよかったと思います。また講義ではやや専門的なところもありましたがアイスブレイクのおかげで次のグループトークがスムーズに入れたと思います。
- 日本人基準ゲノムJG1とジャポニカアレイが、混在してしまっていたので、その部分を、紐解いていただいてよかったです。ジャポニカアレイを活用することのメリットについても、事前に教えていただいたことで、グループディスカッションで、その部分を話し合うことができました。
- 村田先生いつもありがとうございます。
- 産学連携の進め方、制約条件など気になっていたポイントがクリアになったため。
グループトーク、グループ質疑が有用だった理由は?
- 普段関わることのない業界の方々との会話は、使っている言語もビジョンも異なり、刺激的だった。また、異なる業界の人と「将来の発展のため」の議論をすると皆が同じ方向を向くような感覚を覚え、不思議と嬉しかった。
- それぞれのビジネスで活かす方法を考案していることが伝わり、意欲が高まったため。自分自身は、まだ活用方法をイメージできるに至らず、興味を深くもった範囲であるが。
- 今回のプロジェクトについて、各企業の方たちと質問を考えながら、いかに民間企業として役立てていくかを、考える良いヒントを得られた。自分1人の考えでは、視野が狭まるところを、他の方の考え、他企業目線での意見等を得ることが出来たため、非常に有意義でした。
- 業種にもより関心を持つポイントが違っても、個人レベルでは同じ点に関心を持つなど、見方とらえ方の確認ができ、深堀の幅が広がるため
- 調査の実施だけではなく、調査結果を参加者の方が行動変容に繋げることが個別化医療を展開する上で重要であると感じました。そのための一つとして、コホート調査において、疾患に関わる可能性がある方に対して病院へ行ったかフィードバックしてもらうなどのケアをされていることも分かりました。
- 多種多様な業界の方々との意見交換により異なる視点での意見をきくことができたため。
- 皆さんが疑問に思う点や、質問に対する意識など、参加されている方々のレベルの高さを体感できた。初めての参加だったが、グループリーダーを務められた方がうまくまとめてくださり、スムーズにトークが進んだ。
- どうやってコホート調査を続けてもらうかについて、コンタクトを取り続ける、コホートの成果を発信し続けるという話が、他のことにも通じると思ったので参考になった。
- 他の受講者が考える質問は私には思いつかない視点だったので、新鮮でした。
- 様々な角度から質疑してくれるから。
- 他の出席者の方のご意見を聞くことができたから。
- 他のメンバーの方の鋭い質問から視野が広くもてるようになったこと。
- どちらのグループも、かなり近い意識で取り組まれていると思いました。
- かなり専門的なテーマだったためか、各グループの質問が、集中、重複してしまった感があります。もっと気負わずに、個人的な素人発想の質問ができる雰囲気があってもよいかと思います。
- 他業種の方と話すことは閃きにつながる。
- グループ内で共有した疑問点5点が、他グループの質疑含めすべて解を頂きました。
タグ:バイオバンク, ヘルスケア, 東北メディカル・メガバンク機構, 東日本大震災, 長神風二
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