小児の長時間のビデオゲームプレイには一層のケアを
広汎な脳領域の発達や言語性知能に及ぼす悪影響を発見 東北大学加齢医学研究所
東北大学加齢医学研究所・認知機能発達(公文教育研究会)寄附研究部門(川島隆太教授)は、MRI等の脳機能イメージング装置を用いて、健常小児の脳形態、脳血流、脳機能の発達を明らかにすると共に、どのような生活習慣が脳発達や認知力の発達に影響を与えるかを解明してきました。
この度、同部門の竹内光准教授・川島隆太教授らの研究グループは、小児の縦断追跡データを用いて、ビデオゲームプレイ習慣が数年後の言語知能や脳の微小形態の特徴とどう関連しているかを解析し、長時間のビデオゲームプレイが、脳の前頭前皮質、海馬、基底核といった高次認知機能や記憶、意欲に関わる領域の発達性変化や言語性知能に対する影響に関連していることを明らかにしました。今回の知見により発達期の小児の長時間のビデオゲームプレイには一層の注意が必要であることが示唆されます。
脳の微小な形態学的特徴を明らかにできる脳画像解析、大規模なデータ、数年の期間をおいた縦断解析といった手法を用いて発達期のビデオゲームプレイの言語機能や広汎な神経メカニズムへの悪影響の神経メカニズムを新たに明らかにした点などから、従来にない画期的な研究成果として、米国精神医学雑誌Molecular Psychiatryに採択されました。論文は2016年1月5日に電子版が発行されました。
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