SAC東京5期コースⅡ第5回月例会 事務局レポート

機能性食品、とくに抗酸化食品を考える

農学研究科の仲川清隆教授をお迎えして、「機能性食品、とくに抗酸化食品を考える」をテーマに月例会が開催されました。

日本では栄養学や食品学は農学部で扱われますが、アメリカでは栄養学は医学部だそうです。食品では油、身体では脂肪または脂質と呼ばれます。考え方を整理しながら講義は始まりました。

生活習慣病と寿命の関係

3位は心臓病で2位はタバコです。1位が独身(男性)と聞き、会場はざわめきました。自殺もあるそうですが、約10年も寿命が縮むというデータです。食生活が大切なことを実感しました。

油はイメージが悪い?

魚の油は良い役割があります。また、脳の60%は脂質で、この酸化が悪さをするそうです。確かに、食品学ですが医学とつながっています。

ビタミンCの動物実験

動物は体内でビタミンを生合成するために動物実験での区別がつきにくいそうです。ビタミンCを合成できないマウスを作って研究するなどにより、現在研究が進んでいる抗酸化食品なのです。

健康に役立つとされている成分は?

植物の葉や花の色は主にフラボノイド、カロテノイド、ベタレイン、クロロフィルの4種類の色素により発現します。

抗酸化成分の吸収率

健康に役立つとされる成分のヒト体内への吸収率は、脂質はほとんど吸収されるのに対して、カロテノイド吸収率は50〜65%、フラボノイドの吸収率は悪いそうです。ミリグラム(mg)からアトグラム(ag)までの小さな単位も質問形式で考えていきました。

天ぷらが美味しいのは油が酸化するためです。油の酸化が悪い側面ばかりではなく、風味やクオリティをアップさせる側面もあるのです。

人間の身体は錆びるまではいかないと思います。人体は酸化されにくいように守られるメカニズムがあります。活性酸素になどによる身体の酸化という表現が、メディアでよく耳にしますが、過度に振り回されないことが大切です。

アイスブレイク

村田特任教授からの「抗酸化食品がなぜ注目されるのか?」の質問に「オーバーに伝わっている」と答える仲川教授です。油の酸化に対する悪いイメージを肉の熟成を例に考えてみました。熟成も酸化ですが、良いイメージがあります。

グループトーク後の質疑

村田特任教授のアイスブレイクからさらに講義の内容を深堀し、グループトークによって抽出された質疑は以下の通りです。

Q1.食べること以外の抗酸化の研究について教えて
Q2.先生の食生活を知りたいです
Q3.脳の脂質機能と酸化による影響は?
Q4.臓器として、脳以外の脂肪の割合は?
Q5.ビタミンレモンを飲むと尿が黄色いのはなぜ?
Q6.酸化した食品はどのくらいで身体に害があるのか?
Q7.抗酸化を正しく理解したい
Q8.抗酸化食品を摂るべきか否か?
Q9.これを食べれば良いという抗酸化食品を教えて
Q10.コンビニ食品、冷蔵食品など、どれが良いのか?
Q11.温度によってどのくらい酸化が進むのか?
Q12.抗酸化物質を食品として摂取する意義は?
Q13.ブロッコリースプラウトが良いとされることは?

以上

(文責:SAC東京事務局)

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