SAC東京4期 第2回特別セミナー 事務局レポート
SAC東京第2回特別セミナー 事務局レポート
2018年9月6日、第2回特別セミナーを開催いたしました。
SAC東京の生命科学の学びは、変化を続けるケアビジネスへどのように応用できるのか?を紐解くために「スマート・エイジングから考えるケアビジネス」と題して2つの講義を行いました。
講義1「スマート・エイジングから考えるケアビジネスの検証」
特別セミナー講義1はSAC東京事務局長・小川利久によるテーマ「スマート・エイジングから考えるケアビジネスの検証」です。
講義は以下の3つの視点です。
(1)平成30年度介護報酬改正からみるケア・イノベーション
(2)生命科学と人生100年時代のケア
(3)スマート・エイジング・ケア・ビジネスの可能性
■制度の変化
ケアビジネスは本年4月に診療報酬と同時改定された介護報酬から保険内外、あるいは医療との連携ポイントをおさえる必要があります。重度化対応と自立支援から健康寿命延伸まで関連付けてみると常に変化し続けるケアビジネスの入口が見えて来ます。
■生命科学の活用
さらにこれまでSAC東京で学んできた講義テーマをケアの実務に応用してみたらどうなるのか、その実例を紹介しました。
一つ目は「睡眠の質」です。ケア施設で暮らす高齢者の生活へ大きく影響し、夜勤介護職員のケア労働へ影響を与えています。
二つ目は脳内伝達物質による「報酬系と罰系」の学びを介護のコミュニケーションづくりへ応用しているケアマネジメントの紹介です。
三つ目は認知症ケアにおける介護現場の実情です。医師による認知症の誤診がケアに大きな負荷を与えています。その一方で川島隆太教授が脳科学に基づいて開発した非薬物療法である「学習療法」の導入事例と科学的効果を検証してみました。
■スマート・エイジング・ケア・ビジネスに向けて
ケアに関する制度も社会的ニーズです。今後は実践結果を分析し、さらに科学的根拠に基づいたケア・イノベーションが必要となります。ゆえにSAC東京で学んだ最新の生命科学を全てケア領域へ生かすことができます。
講義2「なぜ、看取りか?〜事例からみる生活を支えるケア現場の最新情報」
特別セミナー講義2はSACファシリテーター・小川悦子によるテーマ「なぜ、看取りか?〜事例からみる生活を支えるケア現場の最新情報」です。
講義は以下の3つの視点です。
(1)看取りとは?〜家族との情報共有
(2)食べて生きる〜誤嚥性肺炎を正しく理解する
(3)人生100年時代の生き方と死に方を考える
■看取りとは?〜家族との情報共有
特別養護老人ホームの事例から、介護施設で看取りを希望するには事前の同意が必要なことが分かりました。準備をすることで家族が後悔しない最期の日となるのです。
■食べて生きる〜誤嚥性肺炎を正しく理解する
高齢者の多くが誤嚥性肺炎で苦しむことは知っていますが、嚥下機能(食べる力)の老化を理解できている人は少ないようです。介護保険が求める生活援助では、口腔衛生、経口維持などが加算評価されます。これらの介護力を整えることで、施設等で暮らす高齢者は最期まで生ききることができるのです。
■人生100年時代の生き方と死に方を考える
自分らしく生きて死ぬためには、意思決定ができなくなった時の準備をしなければなりません。看取り介護の事例から、死を受けとめた上でも生きる楽しみが大切であることを知りました。身内の問題から考え始めた参加企業の皆さまは、この情報をビジネスにつなげてくれることでしょう。
生活の場では、暮らしやすさを求めています。家族は望みを叶えるための出費は惜しみません。介護保険だけでは介護の価値を高めるのは困難であり、ここに企業のビジネスチャンスが期待されます。
まとめ
■多様性のあるケアビジネスを実践するために
SAC東京の異業種で構成される参加者が自社の強みを生かし、他社とゆるやかにつながり、お互いに補完し合うことです。
そのためにはいのち、看取りケアについても日々語り合うことができるエイジング・サイエンティストにならなければなりません。
ここからこれから、参加企業の皆さまと共にスマート・エイジング・ケア・ビジネスの扉を開いていきたいと思います。
第2回特別セミナーへ参加を賜りまして有難うございました。
(文責:SAC東京事務局)
タグ:エイジング・サイエンティスト, ケアビジネス, スマート・エイジング, 人生100年時代, 看取り
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