SAC東京4期 AコースⅠ第4回月例会 事務局レポート

生涯健康脳の維持

8月23日(木)開催のコースⅠ第4回月例会講義の事務局レポートです。

講師は加齢医学研究所 機能画像医学研究所分野、スマート・エイジング学際重点研究副センター長である瀧靖之教授、講義テーマは「生涯健康脳の維持」です。

認知症高齢者数と経済的損失

これまで800万人と示されてきた日本の認知症高齢者の予測者数は、1,000万人となる可能性があると瀧教授は講義の口火をきりました。その経済的損失は世界で年間6,040億ドル(約50兆円)、日本では5兆円、周辺効果も含めると16兆円と試算されています。

5歳から80歳まで、日本で最も脳画像を見ている医師・研究者である瀧教授の講義内容は脳科学からみる脳の発達と加齢、そして脳科学を応用した認知症予防事業がテーマです。

知的好奇心

エビデンスとは「確からしさの情報」、認知症予防にはエビデンスがますます重要となってきます。瀧教授が重要な要素の一つとして強調するのは「知的好奇心」です。

子どもの頃に優秀だった子どもが、その後伸びたか伸び悩んだかは彼らの家庭内における親の知的好奇心に対する態度によって異なります。子どもの能力獲得は模倣によるところが大きく、親が楽しんでいる姿を見せることが重要です。

脳萎縮の原因

さらに睡眠、食べること、楽器演奏、語学習得能力、運動などそれぞれに脳領域の発達の部位があり、それに適した時期も分かっています。逆に肥満や飲酒が脳萎縮の原因となっていることも解明されてきました。

幸せな人は長生きする

これらのエビデンスを社会応用していくとコミュニケーションが重要であり、ストレスホルモンが少なく、主観的幸福度が高い人が長生きという可能性も高まってきました。

生涯健康脳サイクルの確立に向けて

生涯健康脳のためには特定の分野だけでは対応が難しくセンシング、介入、診断・研究のサイクルが必要です。
瀧教授は認知症予防の可能性が高まってきている中で、スマート・エイジング学際重点研究センターの設立の意義と生涯健康脳サイクルの確立への協力を求めて講義を終了しました。

参加者の質疑

子どもの脳の発達から認知症予防まで、幅広い脳科学の応用の講義を受けてグループトークによって抽出された参加者の質疑も多義に渡りました。

Q1. 「熱中体験」は何でも構わないか?
Q2. 認知症高齢者の改善は可能か?
Q3. 大人になってからでも脳は挽回ができるのか?
Q4. エビデンスに優先順位はあるか?
Q5. 良い睡眠とは何か?
Q6. 標準的な脳、年齢相応の脳とは?
Q7. 10年後の予測をもって行動を変えることはできるのか?
Q8. 顧客へ食品を提供する際のヒントは?

生涯健康脳にとって子どもの頃の教育は重要です。しかしながら脳には可塑性があり何歳からでもやり直しが可能です。

生涯健康脳の維持のために必要な運動、知的好奇心、コミュニケーション、食事はスマート・エイジングの4要素と一致していること、脳の発達と認知症の進行は表裏一体であること、この理解こそスマート・エイジング・ビジネスへつながるポイントです。

以上

 

 

 

 

(文責:SAC東京事務局)

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