SAC東京第1回月例会 事務局レポート
4月23日開催 SAC東京第1回月例会 事務局レポート
記念すべき月例会第1回が、企業48社から54名が参加してスタートしました。講師のトップバッターは加齢医学研究所所長の川島隆太教授、テーマは「スマート・エイジング概論」です。
「東北大学」とは?
まずは東北大学の理念と精神の紹介からです。「研究第一、門戸解放、実学尊重」であり、日本の国立大学として女子大生をはじめて受け入れたのも東北大学と聞いて、卒業生ではない私もあらためて好印象を持つことができました。アインシュタイン博士も「仙台は学術研究に適した都市であり恐るべき競争相手は東北大学である」と述べたとか、さすが杜の都にある大学です。
「加齢医学研究所」とは?
前進は結核とハンセン病の克服を目的に創設された抗酸菌病研究所であり、驚くこと73年の歴史がありました。常に時代のニーズに沿い、今は複雑なひとのエイジングのしくみを多階層的な医学研究を包括的に扱っている世界でも有数の研究所です。ここで共に学ぶ機会を得られたことにとてもエキサイトしています。
講義は「スマート・エイジング」の定義に入っていきました。健康寿命延伸ビジネスをめざすものにとって正しく理解してほしい概念です。「加齢」とは、「スマート・エイジング」とは、川島教授は世阿弥の「風姿花伝」のたとえから説明に入りました。「まことの花」を得る努力をする生き方が「スマート・エイジング」という考え方であること、すなわち失われた「時分の花」にすがりつく「アンチ・エイジング」という生き方とは異なるという話しは、聞くたびに、私の中でより深く醸成されてくる気がします。
この理解を前提に講義は脳の話へ展開していきました。
「脳を使う習慣」、「脳機能の加齢変化」も学んでいきました。個人差、男女差、体格差はどうなのか。喫煙や飲酒習慣は脳に与えている影響についても話は及びます。
私の知識欲が喚起されたのか、もっともっと知りたくなっていきます。夜更かしは脳に悪影響を与え、先延ばし行為が増えだらしない生活を誘引すること。眠ることによって脳の海馬の体積が増え、記憶が定着していくという研究結果も示されました。
最近使用頻度が高まっているスマホ、あるいはテレビが脳の活性化に対して悪影響を与えていることが分かり始めると、参加者からもため息が出始めました。子どもの教育にも良くなさそうです。高齢期にはアルツハイマーになる確率も上がるそうです。私は老人ホームでも長時間テレビをみている高齢者がいることを思い出し、環境やサービスの在り方の見直しが必要だと思いました。技術が進歩しメディアも変わり、生活習慣も変わりました。「その生活習慣を変えることができますか」と川島教授は参加者に問いかけます。参加者に緊張感が走りました。
それでは知的好奇心が脳に与える影響はどうでしょうか。朝食の頻度とそのメニューも脳に大きな影響を与えていることが分かる様々なデータを示されました。川島教授から「理想の朝食」というテーマが打ち出され、参加者がせわしくメモを走らせます。運動は身体や脳に良い、これは誰でもが理解しています。しかしこれらの情報はどのようにしたら健康寿命延伸につながるのでしょうか。
講義後、多くのことを感じ取った参加者から質疑のたくさんの手が上がりました。川島教授はどの質問にも明解に応えていきます。
ここで、講義はタイム・オーバー。
場所を変えて行われた「交流会」にその議論が引き継がれました。
SAC東京事務局長 小川利久
タグ:スマート・エイジング・カレッジ, 川島隆太, 東北大学, 産学連携
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