SAC東京5期コースⅡ第4回月例会 参加者の声

7月25日、SAC東京コースⅡ第4回月例会 参加者の声


7月25日、SAC東京5期 第4回月例会開催されました。

講師は宗教民俗学・死生学専門の鈴木岩弓 総長特命教授・名誉教授。講義テーマは「日本人の死生観 過去・現在・未来」でした。

超高齢社会における看護・介護やシニアビジネスを行う上で、私たち日本人の「死生観」がどのようなものであるかの理解は、不可欠です。

「死生観」というのは、観念の問題であるため目で見ることができません。従って、ここでは観念に基づいて執り行われる行為、特に死者に対してなされる「葬送習俗」を次の構成で解説、死生観のイメージを深めていきました。

1.はじめに
2.現代日本の「死」の状況
3.「死者」とは誰か?
4.「死者」と「生者」の接点
5.死後の「死者」—「死者」への“想い”—
6.人称からみた「死者」の記憶

参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。


ご意見・ご感想(抜粋)

講義が参考になった理由は?

  • 現在のサービスに直結する内容ではなかったが、以下の点が参考になった。生と死の「決め手」は人が決める「文化」→現在の常識・価値観も変わる可能性があり、それを見極める力をつければビジネスにつなげることができること。「死生観」について本人・残される者の双方の視点から考えることで思考の幅が広がること。臨床宗教師の今後の可能性について興味を持ったこと。
  • 出席者ごとに今回のテーマである「死生観」について違う点が確認出来たからです。
  • 普段考えることのない生と死とはなにかというテーマにつき思考を巡らせることができたため
  • 今まで「死生観」について、自分で意識して改めて向き合ったことが無かったので、向き合って考える時間となった。「死」については、介護施設を運営しているので向き合うことはあったが、「死」を考えることは「生」を考えることでもあることを認識できた。QOL:Quality of Life=QOD=Quality of Dying、→ Quality of Life、Death、and Life After Death に繋がることが理解できた。
  • 今回の講義は“生と死”“日本人の生死観”についてである。私は介護という仕事に従事していながらここまで深く死生観について触れることは無く個人的にはとても興味深く参加することができた。一方でこの内容をどのように展開していくことをイメージすることができなかった。今回特に興味深かったこととして“生”と“死”の決め手は科学的心理、哲学・宗教的心理でなく生活様式=文化が決めるという事。大きく変化することは無いが文化の醸成とともに変化していくことだ。これまで生と死は不変的なものでありタブーという考えであるが、超高齢化を迎えるこれからの時代の変化をイメージすると改めて向き合う姿勢の必要性を感じることができた。
  • アンチエイジングではなく、スマートエイジングを推進する上でのひとつの切り口として「美しさ」の視点で多くのご示唆を頂戴することができました。個人的には、BGMの実験結果が大変興味深かったです。理由は、寝たきりの老人性認知症患者においても、聴覚から入ってくる情報は比較的正常に脳内処理されているように感じられたからです。そこで、同じ患者層でかつ痛みや痒みを有する方に対して医薬品の効果だけでなく、なにかしらの聴覚刺激が相加・相乗効果的として治療に有益な効果をもたらす可能性を考えました。医薬品の臨床試験や非臨床の動物実験でも、試験の質を向上させるために、このような効果を応用できないか、あるいは実例がないか調べておきたいと思います。
  • 人の生・死を文化としてとらえていく鈴木先生のお話しは、普段私たちは生物学的?・科学的?に生・死を捉えようと思いがちな中で、いつ生まれたことになっているか、いつ死んだことになっているということなど、ハッと気付かされる部分が多くあったと思います。生命保険業という職種柄、生死については身近に感じていたものの、やはりまだまだ自分は浅いなと感じられました。臨床宗教師の皆さまによる被災地でのグリーフケアへの取り組みも非常に共感出来ました。
  • 知りたい内容だったので。(セカンドライフを考える上で、死生観は最重要ファクターと考えます)
  • 大変面白い内容でした。死の定義など、それほどタブー視されなくなったとはいえ、まだまだ軽々しく意見交換できる話でもなく、一般的に受容される意見しか公式には言えない文化も強く残っている。ビジネスとして死で儲けるというのも、なんとも堂々と言いにくいものでもあるところを、どう進めるかを自社に持ち帰って話し合う良いきっかけになった。
  • 民間に伝承される事実から、死生観を紐解くという捉え方が、自身にとっては新鮮であったこと。製造業に携わる身においては時代の変化と共に、その時代に生きるお客様の求める水準が変化しいるという事実と、将来を予測する際に民俗学的視点が活かせる(実は活かしている)のではないかと感じました。
  • 死生観が時代によって変化することは想像していたが、近年でも短期間で変化が続いていることに驚いた。死生観に限らず、ビジネス上で重要な観念が同様に変化するだろうと思い知らされた。
  • 「棄老伝説・間引き・丙午振興」等確かに生きているものが生死を決定していることを学びました。QOLではなく「来世観」という考え方で新たなビジネスチャンスが生まれると感じました。
  • 死生観に関する話を聞くような機会がなかなか無い中、生と死に関する国や宗教での考え方の違い、日本の死に関する考え方の変容などを丁寧にご説明頂き大変参考になりました。ビジネス的な展開は難しい分野にはなりますが、教養として非常に考えさせられる部分が多い講義内容でした。
  • これまで、人工知能の世界では、生きている人間の脳の機能や活動を機械が模したり、代替したりすることを求めてきましたが、今回の講義を通じて、「死と人工知能」の関係を考えるきっかけになりました。今後、人工知能技術の発達とともに、人間社会や経済活動が大きく変わることが予想されますが、人工知能の世界から「死」についても考える必要があるのではないか、と思いました。
  • 自死等はあるにしても、「いのち」は本来自然現象的なものと捉えておりましたが、実は生者の都合で操作されてきた、といえること。またそれは、安楽死、脳死など形を変えながらこの先も続いていくであろうこと。また、「いのち」の始まりも終わりも、法律、医学、宗教、また国によっても定義に違いがあること。死後霊魂の存在については、幼少期から非常に関心がありましたので興味深くお伺いしました。
  • 私は、広告営業に携わっています。自身の心構えや事前の準備不足があり、今回の講義内容と広告ビジネスとの関係が、恥ずかしながら見出せませんでした。今後ゆっくり考えたいと思います。これまでに死生観について考えたことはありませんでした。自分にとって「死」とは、とても不安で恐ろしく遠い世界です。
  • 死生観が直線的に変化し、イエ意識の崩壊する中でも親族の死去の際には葬式一連の儀式をせざるを得ない現状が良く理解できました。また、ビジネスとしては、病院、介護施設、老人ホームなどでの臨床宗教師の普及を、QOLや差別化視点からも推進するべきと思います。ホスピスをいくつか視察したが、医師の発言力が強すぎたり、商売ONLYの施設はコスト優先で麻薬の質への配慮が低かったが、本願寺系ホスピスはビハーラ僧が本人や家族の傾聴で医療措置にも提案していて感銘を受けたことがああります。
  • 普段死生観を意識したことがなく、何気なく死後の儀礼に参加していた。死後の儀礼は死者当人の為だけでなく残された人の為のものであるという点について非常に参考になった。
  • 「日本人の生き方・死に方に変化(生死観」については頭ではぼんやり理解しているつもりでしたが、鈴木先生の系統立てたご説明を伺い大変腹落ちしたため。

アイスブレイクが有用だった理由は?

  • 村田先生のアイスブレイクにより、自分では至らない視点での考え方に気が付くことができた。例えば、「生と死」の操作は続くか?→「安楽死」についての考え方など
  • ディスカッション前に講義内容のレビューをする時間が取れるため
  • 今回のテーマ「死生観」は、捉まえ所が難しく、アイスブレイクでどんな視点があるのかのヒントをいただいたので、グループワークがやりやすくなった。
  • 講義内では理解不足であった項目をアイスブレイクしていただき目的を理解することができた。QOL;死に行く時の質=生の質、QOD;死ぬ瞬間の質、死んだ状態の質、ということであるが“質”は人・タイミング・環境によって変化する。病気・事故もしくは偶発的出来事など何かをきっかけに人の価値観は変わる。意識・ニーズが変化することは普遍的であり、常にアンテナを張ることで機会を得ることができる。人は必ず“死ぬ”これまでにないペースで。ここに向き合うことで今後の展開につながる。
  • 聴講者の疑問に思われる点を予想して質問し解説してくださるので非常に理解の助けにさせていただくことができました。例えば、高齢者の笑いの表現が衰える原因はとの問いに対して、受信機能と発信装置の両方が衰えてきているという解説を引き出していただけたのは個人的には理解しやすく思いました。むしろ講義の中で解説しておいていただけると有難いポイントかとも思いました。
  • 村田先生のお話で、特にLife After Deathの部分について理解が深まったと思います。
  • 難しいトピックを具体的に仕事に結びつける手助けになりました。
  • ビジネスの視点で氷解してもらえるので。
  • 大っぴらには話しにくい話ではあるが、自社で良く協議しているネタでもあって、村田先生が投げかける疑問はあまり疑問でもなくストンと腑に落ちていたので。
  • 自身になじみの薄い、民俗学/死生観、という内容について、ビジネス視点に切り替えて消化出来る様に、紐解いていただけたと感謝しております。
  • アイスブレイクを初めて体験しました、確かに講義内容の理解を深めること、さらに短時間で講義内容を熟成させる効果を感じました。
  • 質問内容を考える参考になりました。
    講義内容を振り返ることができました。
  • 「いのち」の始まりと終わりの操作の話の中で、「安楽死」はどうなのかと思っていたところ、村田先生がその話題に触れてくださったので。
  • QOLとQODの境界線やその定義について、不明瞭だったけれど、村田先生が質問してくださったおかげで、理解ができました。また「安楽死」に対するご指摘にも納得できました。
  • 他の方がどのように講義内容を捉えたのかを参考にさせて頂いた。
  • 簡潔な質問でお話の理解を深められたから。
  • 資料について不明だった箇所を明らかにして頂いた。
  • 毎度のことですが、村田先生がご質問されるポイントが自分にとって、大変有用なため。

グループトーク、グループ質疑が有用だった理由は?

  • テーマと参加者の業務の関連性が薄かったために議論が停滞した感があった。
  • 違うフィールドで活躍されている方々の受け止め方を聞くと新鮮な思いがするため
  • 今回のテーマが「死生観」であったので、様々な業種のメンバーがどんな視点で「死」と「生」に向き合ったかが共有できた。
  • 今回の講義内容をどのように受け止めているのか、共有することで現在地を理解すること
  • 女性の肌を5段階評価する専門評価者がどういう基準(クライテリア)で評価しているかとの問いに対して、専門評価者それぞれに任せているという回答は意外でした。研究として成立しているのか疑問に思いましたので、おそらく質問者も同じ意図・解釈だったのだろうと思いました。一方で、BGMを使ったビジネス事例で、高齢者住宅メーカーの試みのご紹介は参考になりました(医療応用の視点です)。
  • やはり皆さんの視点は自分とはかなり違っていて、理解が難しい面もありましたが、色々な意見に触れることができ有用だったと思います。
  • 異なった視点に触れることが出来るので。
  • グループの中に介護事業者もおり、旅行事業者もおり、いろいろな視点が展開されて、とても良い気づきを得たので。
  • いつもながら、各種業界から参加されてる皆様のバックボーンにより、様々な視点からの意見が出てくることが、とても有益な刺激となります。グループ討議の時間をもう少し多めに取れると、さらに多様な意見を聞けることができると期待しますが、午後セミナーなので延長線は個々でアクションします。
  • 死生観とAI、という発想が出て非常に面白かった。
  • 今回のメンバーが私以外、研究・開発の業務を行っている方だったため、純粋に講義内容の意見交換が出来ました。
  • グループトーク、グループ質疑ともに、死生観に普段馴染みの無いメンバーが多い中でフラットに議論が出来たので、それぞれの価値観の違いもあり、死生観に関する考察が非常に深まりました。
  • 私個人が考えていた内容と全く異なる話題も出て、良いディスカッションになりました。
    死後霊魂の存在を信じる人は今後どうなると思うかという質問に対して、人間は非合理的だから信じる人はいなくならないだろうという回答は重要だと思った。また、土葬から火葬に変わることで、墓穴を掘るイベントへの協力関係がなくなり、コミュニティが切れたという回答も重要だと思った。
  • システム、ロボット関係の方がいらっしゃったので、AIの話に発展し、AIにとっての生と死とは・・・といった考えもつかなかった話題で討議できました。
  • 私が気づいていなかった疑問点をあぶりだしてくれたので、視野が広がりました。
  • 介護に携わってらっしゃる方と同じグループでした。介護の現場で死を間近にしている方の心境の変化をお聞きすることができた。死は、誰にとっても不安で恐ろしい世界なのだと感じました。そこで思ったのは、姥捨てされる老人は、どんな心境だったのだろうか、間引きする親は、どんな気持ちでいたのだろうか。当時、死はとても近い世界だったのだろうかという事です。
  • 他人と死生観を話題にする機会はそもそも少ないが、グループトークではいろいろ出自、年齢の違う方の考えを聞けたから。
  • 自分にはない視点で質問が出ており、自分の為にもなったと思う。
  • QOL・QODに関する質疑応答は新たな気付きがあり、大変有用でした。

過去のSAC東京月例会 事務局レポートはこちら
過去のSAC東京月例会 参加者の声はこちら

あわせて読みたい関連記事

サブコンテンツ

このページの先頭へ