SAC東京5期コースⅠ第4回月例会 参加者の声

7月25日、SAC東京コースⅠ第4回月例会 参加者の声


7月25日、SAC東京5期 第4回月例会開催されました。講師は、東北大学 大学院文学研究科の阿部恒之教授。講義テーマは「美しさと加齢」でした。

生と死に対する人の向き合い方は、歴史と共に変わってきました。しかし寿命を全うするものが誰しも、誕生・成長・老い・死という過程を経ることは、いつの時代も同じです。そして、人生100年時代、最も長いのが老いの過程です。

この最長の過程を、しぼむ、衰える、美しさから遠ざかるという否定的な側面ばかりにとらわれて過ごすことは不幸です。減点法の美意識ではなく、加点法の美意識もあり得るという話の中から、老いの積極的な側面を見つけるヒントを解説いただきました。

参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。


ご意見・ご感想(抜粋)

講義が参考になった理由は?

  • 人生100年時代をキーに事業活動を展開しているが、老いというもののとらえ方を根本から考えることができた。
  • 美しさと加齢から、3つの対比する言葉を中心に美しさと加齢についてひも解いていただきましたが、「老醜⇔老賢人」「加齢⇔劣化」「時分の美⇔まことの美」いつの時代においても誕生・成長・老い・死という過程を経ることは、老いに関する共通した認識です。加齢とは、しぼむ、衰える、美しさから遠ざかるという否定的な側面ばかりにとらわれる減点法のではなく、加点法の美意識もあり得るというお話の中から、老いの積極的な側面を紹介いただき、スマートエイジングの根本的な概念に触れた気がしました。また、時代の変化に伴い、美しさの定義も大きく変容していることを改めて気づかされました。美しさ=女性の見た目、女性ならではの言葉と捉えがちですが、現代では男性のなかにある美しさにも着目が必要であると感じます。美しさに関するデータや調査等はこれまでターゲットを女性のみであり、男性に対する調査を行うことで、新たなニーズとの出会いが生まれると感じます。今回の講義の中で一番はっと気づかされたことは、「きれい・かっこいいはその地の文化が決めること」という事実です。諸外国の文化を例に挙げると大変わかりやすいですが、同じ日本という文化の中で暮らしながらも、都市部と地方では、かっこいいいモノ・コトには大きな乖離があると感じます。都市部で流行しているコト・モノを地方にもってきたからといって、簡単に受け入れられないことを悲観するのではなく、その土地の文化に沿ったかっこいいもの、美しいものを創出することが、新たな文化の発展・地方活性化へつながると改めて学びました。
  • 自己認識 ≧ 現実 ≧ 他者認識のギャップについて、非常に腹落ちしました。自己認識、他社認識を現実に寄せていくため、コミュニケーションが非常に重要と感じました。
  • 高齢者や認知症患者において、認知機能やインプットする能力が低下しているだけでなく、(たとえその機能が残っていたとしても)アウトプットする能力が低下していることが気付きであった。
  • 美しさと老い、についてのお話を伺い、「アンチエイジング」=老いに抗うこと ではなく、「スマートエイジング」=ポジティブ、前向きな加齢のあり方を学ばせていただきました。また、高齢になるとオノマトペへの理解力が低下することや、感情の表現力(発信力)そして受信力が衰えることといった新しい事実には、今までの自分自身の経験がストンと腑に落ちるような感覚がしました。
  • 高齢化社会の進展予測と死に対する考え方の変遷を体系的に学び取ることができました。
  • 老醜、老賢人などのコトバ。加齢は心身のすべてが衰退するわけではない。経験値だけでなく、身体機能もトレーニングしだいで向上するなど、新しい気づきが多々あった。
  • 高齢期を迎える世代・方々の「美しさ」の定義を改めて考える機会となり、その定義から、新たな事業のチャンス、既存事業の価値向上をみつける機会となったため。
  • 今と昔とでは加齢に対する認識が異なっており、そこにはエビデンスに裏付けされた高齢者本人と周囲の人とのコミュニケーションギャップがたくさんあるということが良くわかりました。村田教授の総括では、コミュニケーションギャップの部分に新規事業のヒントがあるとお話をされ、まさにその通りだと思いました。
  • 科学的というより、文学的・心理学的な側面の内容で、今までに無かった内容だったため。
  • 「寝たきりの老人性認知症患者に対してのBGM実験の話が大変参考になった。脳の内側の働きはまだまだ不明なことが多いことを再認識できたこと。
  • 現在化粧品ビジネスの立ち上げをしている為、非常に参考になりました。もっと色々講義を伺いたかったです。
  • 化粧等による外見的な美しさによるスマートエイジングより、運動や食事さらには知的好奇心を揺さぶる心(脳)の内面的なスマートエイジングが本質的なテーマと感じているから。
  • 資産運用の世界では、これまでの金銭的なリターンとリスクのバランスを追求する「工学的」なアプローチから、ESG投資といった社会的価値を重視するアプローチに、軸足が移りつつある。直接関係があるわけではないが、老いや美をめぐる様々な「価値観」を科学的に分析しようとする研究は、意外と金融の最新トレンドに近い分野のように感じた。資産運用分野で産学連携を志向する際のヒントが多くありそうだ。
  • オノマトペの認識が高齢者では異なること、表情筋が年齢と共に動きづらくなることなど、理解していないと誤解のもとになることがあり、まだまだ認識されていないことがあることがわかりました。
  • 現在は「老い」がネガティブな意味で使われることが多いが、決してそうではないこと。また、本人と他者等の間に生じる「老い」に対する認識の違いがあり、それが原因でコミュニケーション等に不具合が生じる為お互いに歩み寄りが必要であること、人間にとっての美しさとは、若さゆえの美しさだけではなく、蓄積された知識や教養による所作や成熟さにも見出す事ができる等「老い」に対する今までぼんやり認識していた物が今回の講義でハッキリしました。
  • 擬音語に対するお話しは、訴求文言等今後の業務にも生かせそうだと感じた。一方、研究が古く現時点で同じかどうか若干疑問が残る、という内容があり最新の情報も踏まえてお話を聞けるとよかった。
  • 加齢は心身機能の老いだけでなく、経験や知恵の蓄積といった結晶性知能の成長もあることが分かりました。シニアマーケティングの際に、心身機能にどうしても着目してしまいがちですが、経験や知恵をうまく活用したシニア向けのアウトプットもあるように感じました。また、精神機能面で、本人と他人のコミュニケーションギャップが孤独感に繋がることを知り、このギャップを埋めることが、退職後の特に男性に向けた開発には必要だと感じました。
  • 人間の価値は物質的、肉体的なものだけではない。物質的、肉体的なものは経年劣化する。経験や知恵は経年で蓄積されていくものでスマートエイジングにおいてはこの経験や知恵を最期の時まで使用可能な状態に保つことが重要と思いました。つまり、認知機能の維持が重要ということが単にマイナスにならないようにではなく、人間としての価値を最期の時まで高めていくためにというポジティブな捉え方ができるということを気づきました。
  • 加齢に対する誤解について若い周囲の誤解は理解していたが、自分自身も誤解していることがよく理解できた。感情の表情の衰えを簡易に他者へ感情を伝える術はないか、「加齢と美しさ」に関する調査を簡易にできる術はないか等、ビジネスのヒントが多々ありました。
  • 美しさや、老いについて、時代、文化によって認識に違いがあることが理解できました。
  • 講演ありがとうございました。高齢者の自己認識と他人認識がずれているため、コミュニケーションギャップが生じるという話は非常におもしろかったです。
    また、加齢と美については、外面だけでなく、内面の要素も女性が考えているということが興味深いので、ビジネスの対象になるのかもと考えているところです。
  • 老と美(意識)の関係について、参考になりました。

アイスブレイクが有用だった理由は?

  • 質問を考えたり整理するための時間になったので。
  • 一通り講義を聴いた後に、講義内容のレビューができるため
  • 講義では概念や考え方に基づくお話がメインでしたが、アイスブレイクでは科学的な根拠をもとに疑問をひも解いてくださるため、同じテーマを別な視点でとらえることができます。
  • ビジネスチャンスが「自身の意識レベルと実際とのギャップを埋める」ところにあることが認識できた。
  • 講義についての理解や新たな視点を知ることができたため。
  • 自分が疑問に思っていた点などを、引き出してくれたので。
  • プレゼンテーションでは少しわかりづらかった資料の意図が明確になり、文脈が整ったため。
  • 加齢の実態は、年代、環境によって大きく変わるという事
  • ちょうど気になっていたところを、村田教授が質問してくれたため。
  • 抜けている項目や説明が短かった項目について、再説明があったこと。
  • 自分が聞きたいと思っていたことをちょうど聞いていただけたので有用でした。
  • 研究者の視点と、実務応用の視点の、橋渡しとなっている。毎回、実務家が見落としがちな(かつ、講演する先生方にとってはあまりに当たり前で説明されないような)「グラフを読む際の注意点」に触れてくれるのが助かる。
  • 人の意識レベルにはギャップがあり、高齢になると特に大きくなる、そのギャップを埋めることにビジネスチャンスがあるという整理や、従来の抗うアプローチから、意識を現実になじませる、受け入れる、共に歩むアプローチという整理の仕方が、参考になりました。
  • 講座の内容を分かりやすく簡略化してくれて、内容の再確認ができました。
  • 疑問に思っていたところをアイスブレイクで解消いただけたのでよかった。
  • 自分ではわかったつもりで聞いていても、アイスブレイクの内容を聞いて、内容をより深く知ることができました。
  • 質問しようとしていた内容(高齢者の表情筋が動かなくなる理由)を代わりに質問してもらえたから。それに対する講師の推測的な回答(発信機能の衰え)に対して、代わりに明確な回答(認知機能の衰え)を述べてくれたから。
  • 今回の講義をもとにしてどこにビジネスチャンスがあるかについての示唆を頂きました。自分の意識レベルと現実の自分のGAPを埋めるところにチャンスがある。現実を意識レベルに近づける(高める)のがアンチエイジング的な手法で、意識レベルを現実に近づける(あきらめる?)のはそれがいいかどうかは別にして教育のようなものとのお話でした。おそらく、高齢者の現実について再定義し、高齢であることの肯定感を高めることができれば、意識レベルを現実に近づけることが『高める』ことになり、新たな需要ができそうな気がしました。
  • 疑問に思っていた部分の確認ができたから。
  • 社会的な意味での幸福感と情緒的な意味での幸福感の相違など。
  • 自分が講義のなかで気が付かなった点について解説があったため。
  • 毎々、誤解ないように前提や定義を補足いただき感謝しております。
  • 講義中に浮かんだ疑問がある程度解消されたため。
  • 講義の内容をかいつまんでまとめていただき、グループ討議前に一度頭を整理するのに役立つ。
  • 実験データに関して、一般の方は理解しにくい点をわかりやすく解説されている点

グループトーク、グループ質疑が有用だった理由は?

  • 他の人の質問の観点を知ることができたので。
  • 違うフィールドの方の受け止め方を聞き、新鮮だったため。
  • 擬音語の発信の難しさについて、高齢者向けの広告等ではよく擬音が使用されている現状について知り、受信の効果に対する問いは新たな視点でした。個人的な疑問として男性に関する美のデータや調査がないことに疑問を持ち提案しましたが、グループ内にも同様の疑問を持たれるかたがおり、これらも時流により共通の認識になりつつあると思いました。
  • 美意識の捉え方に関する質疑を複数伺い、「美」は文化の要素が大きいので一概には言えないことがわかりました。
  • BGMや声掛けにより、「おいしく食べてもらう」、「自ら選んでもらう」ことを促すなど、高齢者や自閉症患者において、サービスを提供する側の気持ちが、受け手に影響を与える、心を動かすという点がとても印象的だった。
  • アイスブレイク同様、自分自身だけでは得ることのできなかった知見や、グループメンバーそれぞれの属する業界的な目線での質問などを知ることができたため。
  • ビジネスとの関係性の視点でなにか得られることがないか考えさせられました。
  • グループの皆さんと講義内容に関するディスカッションができたこと。メンバー企業様の本テーマにおける関心ごとも聞け有意義な時間でした。
  • テーマを同じくしても、企業によって視点が異なる。
  • スマートエイジングにチャンスを感じたため。
  • 各自から質問が挙がって、共通点がある内容について先生に質問するスタイルをとりました。雑談で終わることなく、気になったことを話し合う感じなので、ちょうど良いと考えます。
  • 同じ聞きたい質問でも、業種により期待する答えが違うことに気づいたこと。
  • 今回のメンバーは、講義に対して受ける印象、質問したい内容が全員比較的近いところにあった為、非常にやりやすかったです。
  • 実務の現場におけるオペレーション(シニア向け広告で擬音語を多用する)を聞くことができたため、研究の応用余地がありそうな分野の一例を垣間見ることができた。
  • 女性視点だけではなく男性視点ではどうなのか?という自分では思いつかない意見もあげられ、視野を広げることができました。
  • 別グループからの質疑で、体動や擬音語のお話など、疑問に思っていたところの回答が聞けたのでよかった。
  • 自分では気が付かない視点を、今回もグループメンバーから教わりました。
  • 理解が深められた為。
  • グループメンバーの方と講義で興味を持った点を共有できたため。
  • 介護現場をもつ事業者様と同グループになり、実際の声を伺えたのは大変貴重な機会となりました。また、皆さんと意見交換することで、毎回様々な視点に触れるのでとても有意義です。
  • 自分とは別の視点を取り入れられたため。
  • 班ごとに2質問になっているが、他班も同じような質問を考えており、実質聞きたいことを複数聞けたため。
  • 海外の情報や性差についての関心の高さが見受けられた点

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