SAC東京コースⅡ第7回月例会 参加者の声

10月18日開催 SAC東京コースⅡ第7回月例会 参加者の声

blog161018b10月18日、SAC東京2期 第7回月例会が開催されました。講師は、加齢医学研究所 災害科学国際研究所 兼務 杉浦元亮教授。講義テーマは、「ポジティブなエイジングのための2つの扉~脳の中の『3つの自己』と加齢の脳科学」でした。

杉浦先生は社会脳科学研究のパイオニアで、「自己」脳研究の第一人者です。人は齢を取るにつれ、ネガティブになりがちです。心身の衰えを超えてポジティブに生きるにはどうすればよいか。今回の講義では、脳科学の観点から、高齢者が陥りがちなネガティブ志向をブレークスルーするヒントをお話頂きました。

参加された皆様からいただいたご意見やご感想を掲載します。

ご意見・ご感想(抜粋)

講義が参考になった理由は?

  • 加齢によって低下する脳機能と、それをカバーし適応しようとする質的な変化を、独自の自己3層モデルを使って論理的に整理し、そのうえでポジティブなエイジングのために有効な具体的方法論を積極的に模索しようという試みは、大変説得力があり興味を覚えました。
  • エイジングをネガティブに捉えるのではなく、身体の意識化という観点でポジティブに捉える、というところに新しい気づきがあった。単に身体によいと言われているから(無理にでも)運動させたり栄養を取らせたりするというのではなく、身体の悦楽のため「カラダが悦ぶことをしてあげる」という考え方でアプローチを仕掛けることがより効果的だと思った。
  • 脳機能向上において、運動やカラダを気持ちよくさせるポジティブな意識付けなどが様々な相関関係として、好要因につながっていく点について参考となった。
  • 脳科学に関する知見もないままに受講させて頂きましたが、脳の仕組みを分かり易く講義頂き、大変興味深く拝聴しました。特に、脳における自己とは?ということへのスキーマの関与の仕方は新鮮で驚きをもちました。しかも、加齢による変化から推論されたポジティブエイジングは斬新な視点でありました。昨日、有名な俳優が亡くなりましたがつい前日まで仕事をこなしていながら芸の道半ばでありながら、全うした最期だったと感じます。「不滅の魂」は求めるものではなく、その超越した状態を表すものかもと感じました。
  • 「脳機能イメージングの基礎」については大変参考になりました。「自己」の部分については十分理解することができませんでしたが、「自己」の捉え方にはいろんな考え方があり、脳機能マッピングの視点からみた自己3層モデルの考え方で脳機能加齢変化も説明することができると理解しました。
  • 脳測定の方法分類が大変わかりやすかったです。
  • 脳イメージング測定からどのような結論出すにあたり、先生の仮説とアプローチは参考になりました。
  • 若者では前頭前野の片側を働かせるだけで解決できる課題に対して、高齢になると前頭葉の両面を働かせている脳イメージをレクチャー頂いた箇所。
  • 参考になったというよりも、「脳」の中での自己認識のメカニズムと加齢による脳機能の変化、のお話が興味深かったです。
  • 加齢によって、脳の前頭前野の両方が働き始めるということは、見方を変えて、脳の活動領域が広がったとみれば、脳をたくさん使えるようになったということで、まだまだ成長できると捉えると、希望があります。
  • 講義の内容は全体的に難しかった。人間の自己の理解について3層モデルを元に理解を深めていくと、シニアから若者へ応用できる新しいアプローチが期待できたことは面白かった。
  • 私の専門外の内容であったため、久しぶりに普段は使わない頭を使った感覚であった。今回講義していただいた自己の3層モデルなどを私自身の仕事に落とし込むことは難しいことかもしれないが、物事の捉え方や、実験の解析の深掘りの方法など、手段の面で参考になったことが大変多かった。
  • 少し難しいテーマでしたが、研究での取り組みがわかりました。
  • 身体的自己、対人的自己、自己の社会的価値(社会価値的自己?)が脳内で多ヶ所に機能分散して存在しており、成熟した下位スキーマを基盤に上位スキーマが発達していくモデルは「マズローの欲求5段階説」にも近いものを感じました。
  • 各人の所作、喜怒哀楽の感情も3層モデルで説明できそうですし、ポジティブエイジングのためには身体の意識化だけではなく生活行動の意識化(自分事として行動する、主体性を持って行動する)も大切なことではないかとも思います。
  • 脳の働き、自己というものを科学的に明らかにしようという研究の最前線は、難しいが、大変興味深かった。
  • 様々な動機の基となる「自己」について、個人的に全く新たな視点から丁寧に説明いただき、大変参考になりました。例えば、金融商品の購入や生活習慣改善等の各種「動機付け」の仕組みを検討する際に有用な示唆をいただいたと感じています。
  • 脳機能の研究結果から、目指すべき姿が明確化され、脳に対する知見の活用方法が掴めた気がしました。
  • 今回のテーマは私のビジネスにとって重要なテーマでした。最先端の研究をされている先生から「身体の悦楽」と「壮大な目標」と言い切るような講義を頂けると、私としては行動に移しやすく、そういう意味で、ありがたい講義でした。
  • 脳活動の見える化に関する最新技術を知ることができた。
  • 製品の官能評価を脳のイメージングで代替できるのではないかと将来の可能性を感じました。
  • 脳の活動状態を可視化する、という分野がここまで発展していることを初めて知った。普段は数値で判断するようなデータばかりをみているので、心理学や哲学のような側面も絡めながら画像をとらえるという観点は自分にとっては新しく感じた。若年層と高齢者で、脳の使われ方による行動の変化もある(例:思ったことをすぐ口に出す)というのも、とても面白い切り口だと思った。今後のビジネスにすぐにつなげるのは難しそうだが、元気な脳を保つことは多くの人が望んでいることだと思うので、今後の研究の参考にしていきたいと思う。

村田特任教授によるアイスブレイク、および個別質疑が有用だった理由は?

  • 内容的に難解であったこともあり、参加者の質問により、理解を多少深めることができたと思うため。
  • 正直、講義だけでは理解が追い付いていなかったのですが、アイスブレイクで理解の整理に役立ちました。
  • 今回のテーマが難しいという先入観をある程度払拭していただけたので、感謝いたします。
  • 理解が深まりました。
  • 自分の考えていない視点の議論があり、参考になりました。
  • 「はまるサイクル」という概念に対して改めて重要性を認識できた。
  • 内容的に、普段接することが少ない学術的なお話でしたが、その捉え方のとっかかりとして、参考になりました。
  • 他の方の視点を通じて、自身の考え方も整理できた。
  • 村田特任教授にアイスブレイクをしていただき、自分の理解があいまいであった部分が何点も解消された。その後のパネルトークにて議論が活性化するために皆さんの理解をそろえる目的でも大変有り難い時間だった。
  • 個別質問もより自分の興味に近い質問をすることのできる時間だったので、大変有意義な時間だと思う。
  • 他人の注目点がわかるのが良いですね。
  • 杉浦先生のお話が、日頃なじんだ内容でなくなかなか整理が追い付いていなかったところ、村田先生のアイスブレイクによって整理することができ理解が進んだので。
  • アイスブレイクで、講義でよく理解できなかった17~18ページあたりにつき、確認して頂いたから。
  • 普段馴染みのないテーマだけに、講義内容を様々な切り口で再確認いただいたことで理解が進みました。
  • 対人関係的自己と社会的自己の違いについて、よく理解しなおすことができました。
    いつもそうですが、質疑によって、先生の知見が引き出せる場面が多いと思います。
  • 「自己」の定義について、理解が明確になりました。
  • 村田先生からの確認質問があって理解度も深まりました。
  • 自身が聞いて漠然と分からなかったことを、村田特任教授が質問して下さったので。

パネルトークが有用だった理由は?

  • パネリストの皆さんが短時間で要点を整理、それぞれのビジネスへの手がかりをつかまれておられたので。なるほど、そういった観点もあるのか、ということで参考になりました。
  • 講義内容をビジネスで展開する場合のアプローチについて、ヒントが得られたと思います。なかなかすぐに着手できるものはなく、長期的な行動変容と、結果としてポジティブさが身に付くような気の持ちようを促すことが重要なのだと感じました。
  • 皆さまのご職業というフィルターはあるものの、純粋な疑問を発言されていた事は、聞き手も面白く伺うことが出来ました。産学連携のきっかけというのは、このような切欠が大切ですし、対極にある研究や価値との組みあわせが新たなビジネスモデルの創造になる場合が多いでの、私自身もそのような視点で聞かせて頂きました。
  • 各社の取り組み内容を聞くことができた。
  • パネルトークの皆さんが、それぞれ課題を持たれており、ひとつひとつの意見が参考になりました。
  • 「残された時間への意識」という概念を深掘りしたトークで、ロールプレイでも末期エイズ患者でも同じく反応する、ということを聞けた。
  • 他社の現状と、様々な課題について認識することで、自身の課題と照らし合わせて整理できた。
  • 運動や旅行にはまるシニアの脳科学的なバックグラウンドが理解できました。ここをよく理解しつつ製品やサービスを考えていくことと、早めの行動変容を起こさせていく仕組み作りが大切だと感じました。
  • パネルトークでは、講義に比べてかなりビジネスとしての可能性がどのような部分にあるのか、考えることができた。特に高齢者の方の常習性に対するアプローチなど、今後の業務に活かせそうなトピックを得ることができた。
  • パネラーの方の注目点がわかるのが良いですね。また、事前に質問を考えておられるので、少し深いポイントが聞けるのが良いです。
  • 事前学習の時点では内容の理解があまりにも浅いためにパネルトークでの議論の広がりが想像もできなかったのですが、パネリストの多面的な観点から議論が進んだので講義の理解が深まりました。早期の自己確立のためには、アクションを本人が起こしてフィードバックを得て、自分で結果に責任を取って次のアクションにつないで回していくことが大切だということ、やらされ感ではなく主体性のもつ意義がはっきりしました。
  • 企業という立場で産業への利用・応用を考えた場合、網羅的に理解していた従来の心理学的理論を、もっと個別にあるいはシステマティックに掘り下げて行ける研究として非常に可能性を感じるとともに、今後に期待したいと思いました。
  • 学問的な話だけではなく、「ではビジネスにどう生かすか」という視点での話も聞けたので。
  • 講義内容の整理として役立ちました。
  • 最前線の脳科学の研究が、心理学や更には哲学(?)、生き方の研究に、どこまで踏み込めるのか、つながるのか、難しそうですが、興味深かった。
  • 各企業の立場から、どのようなサービス展開を想定されているのか聞くことができ、新しい視点が得られたと考えております。
  • 脳への働きかけによる認知症対策の可能性を確認できました。
  • 各自の立場での質問であったためわかりやすかったです。
  • 他企業の関心事などが、自らの業務に別角度からの参照になりました。
  • 食品、消費材、福祉用品と、パネリストの方たちの立場が三者三様だったので、それぞれの立場からのご意見を伺い、参考になる部分が多かった。
  • 内容的に難解であったこともあり、参加者の質問により、理解を多少深めることができたと思うため。

過去のSAC東京月例会 事務局レポートはこちら

過去のSAC東京月例会 参加者の声はこちら

 

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